2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ぶんちょはしあわせでなければならない

おやすみカバーをあけるともわんとピリカの匂いたちのぼる若さと勢いにみちて匂いまでもが意思もつ生き物のようだ雛羽が抜けたら匂いが変化したお口のまわりはペレットの甘さおしりのあたりは尚甘いほんとは体じゅう嗅いで点検したい翼のない脇の下そこにほ…

影と幽霊

雪の上の影は暗い青色ふしぎ街灯の加減で影が右に左に二つ出るふしぎ孤独を分配するかのように足下からはえてる二つの影は誰もいない校舎になり響くチャイムを合図に手を取り合って走り去る笑い声が雪面の凹凸にひっかかってところどころめくりあがってる真…

俊カフェでの夢想

カフェの小さな窓からちょこっと見える青空は雪雲に押しのけられてあっという間に流れちゃうお隣は小学校きっとつまんない授業に頬杖ついてぼくと同じ青空を今この瞬間見てる子がいて教科書の文字はぞろぞろとありんこのように列をなして出かけていってしま…

先代女子ぴっちゃんの卵のおはなし

「わたしどうしても産みたかったのよね」 ↑先代ぴっちゃんです ああ可愛い平均22gの子柄な女子でしたが卵を産む日の朝は30gまで増えました日照時間、餌の量、巣材になりそうなもの撤去、ケージの置き場所変えたり、スキンシップ控えたり飼い主も変な服着てみ…

君の甘さ加速度のいのち

ピリカは飛べないのに 翼がないのにぼくの持ってない何かでぼくを追い越してゆこうとしている振り返ることをゆるさぬ厳しさと振り返る暇なんてないというひたむきさであのやせっぽちの体の中でピリカの命は勢いあまって怒ってるそれで急ブレーキで制御しきれ…

難しく考えず生きてることはなんかいいんだよ

「命みじかし」なんて達観した誰かがちょっと突き放したみたいな簡潔なひとことにぼくらはちょっと反発する気持ちが芽生えてその「短さ」の中にえいえいこれでもかこのやろこのやろぎゅうぎゅうとつめこめられるだけ、つめこんでぼくらは生きることを愛し愛…

小さいんだよ

幸せはちいさなもの人間の目にはみおとしがち幸せは軽いものよりかかるにはたよりないはいどうぞこちらが幸せな盛り合わせですなどど差し出された器に飽食した人間にはかみさまは高難度のフォレイジングを仕掛けるいくら眼鏡の度数をかえたところで見ようと…

ぼくの朝風金の粉

ぼく風になって気温の低い明け方の朝日が金色に光るあの頃合いに高い高い木の梢からさわあと吹き下ろしてあたりに金の粉撒き散らしてきたキタキツネの足跡もクマゲラの食跡にも金の粉ふりかけて空に吸い込まれてゆく星たち押しのけられてゆく群青色すこしの…

YOU CAN DANCE ❣️

晴れ渡った海の向こうから雪の乱舞引き連れてせわしなく形を変えながら雲が襲いかかってくる内側からもくもくとわきたつ歓びちいさな疑問符達は全力で逃れようとしたがたちまちのみこまれてしまった荒っぽくあやされているように高く高くふきあげられては急…

ぶんちょ2羽の歌で目覚める幸せ

ピリカが来てからぼく少し歌声が大きくなったよく聴かせてあげたい気持ちと負けないぞうという気持ち朝はお休みカバーの中からかいぬし!早く開けてよ!の催促をこめて大熱唱しているけれどつられてピリカもホヨヨで揺れながらカラオケで勝手にハモってくる…

入水に向かない女性の思い出

観光地と呼ぶには寂れすぎな海の街釣り人もまばらな堤防から女性が飛び込んだ人ひとりを受け止めた海は訴えるように大袈裟にどぼんと音をたてたきっちりと脱ぎ揃えた靴に彼女の意図を読んだ人々は動揺しながらもそれぞれできることをするあれこういうときっ…

まあ髪なんてすぐのびるものですから

急に髪切りたくなって気になって気になって一度切りたいと思ったらもうどうにも切らずには我慢できなくなりでもそんなときに限っていつものとこ予約取れないものだから適当なところへ入る「今日はどんな感じにいたしましょうかぁ」ハイトーンのスタイリスト…

平和な日でした

ピリカとおやつタイムしてたのうふふおいしいねピリカピリカあんまり食べてないからぼくもらっちゃうよ?いいよね?ほら残したらもったいないし!そのあとぼくピリカのぶんまで食べちゃダメよってかいぬしにとりあげられちゃったぼく27gだからこれ以上太って…

ひとをおもう

君を思い出すときに悲しんではダメです君は悲しいものではないからです君に返しそびれた本が面白くなかったですでもこのままもらっておきます君よりずっと不摂生で罰当たりな生き方をしてる人々が平気な顔をして君よりずっと長生きして悪態ついてます去年は…

ピリカはおにいちゃんこ

ピリカがぼくのしっぽ狙ってるすきあらば引っ張ろうとしてるんだよいたずらばっかり仕掛けてくる「ボク幼ブンチョだからわかんない」ってとぼけてるんだおにいちゃんおにいちゃんおにいちゃん飛べないピリカ必死でにじり寄ってくるぼくちょっときゃっ!てな…

「思い通り」より「思いがけない」の方が楽しそうだね

「思い通り」を買い求める列に一応行儀良く並んでいた並び続けてればいつか自分の番も来るだろうと思ってでも飽きっぽいぼくらには我慢が足りなかったお金も足りなかった小さな足踏みが物足りなかったずんずん大股で踏み分けて行きたかった信じ続ける強さが…

きみはがんばってるよ

いいものに囲まれていいものを与え続けられていいものをいいものを認識することを強いられ続けるとふと怖くなるんだよね「良い」と言われる本を読まされ先生が気にいるよな感想文書いて正しい答えはいつでももう決まっていて高潔な振る舞いも型通り繰り返さ…

雪の降る理由てなんだろうね

何かを託されて生まれてきたように思うがきれいさっぱり忘れてしまった断片すら思い起こせないんだからどのみち大したものじゃないんだろう“使命”なんてほど崇高なものじゃなくまあ時間あったらやっとけよくらいのちょっとした宿題なんだろうそう思っておこ…

祝 ぶわわ

最初の写真はいつでもぼくの写真ってなんとなく決めてたんだけど今日は特別ピリカをのせるのピリカがぼくの真似して頭をぶわわってしたから!換羽の途中でこんなにぼろぼろだけどぼく嬉しかったんだよそしてねお風呂上がりの飼い主があらぴっちゃん歌ってる…

無限と有限の会話を盗み聞きした

「無限」はだらりと横たわって遠くを見つめる自分の視線がぐるり一周して自分のお尻を見れたらおもしろいのにななんて 鼻をほじっていた「有限」はそんな彼を見下ろしてきみはかわいそだねえとしみじみつぶやいたので「無限」は永遠に満たされないままで枯渇…

成鳥の日ってあるのかな

小さなものを見つめていたら大きなものに抱かれてる気がするよ大きなものに手を伸ばせば小さきものたちの忍び笑いがきこえる半透明よりはもっともっとみえているほぼクリアに見えている1部の濁りはなんでしょかこの目が僅かに曇ってるのか曖昧に濁すべき真実…

人間の愚かさはかみさまのおつまみになる

あまりにたくさんいすぎるもので今日すれちがったそのかみさまの名前をぼくは瞬時に忘れたあははだいたいにおいて外側にいるかみさまは話しづらいそれでいて拗ねたりして面倒だからたまにはごまをすらなきゃならないでもぼくはしってるこの世で1番初めに孤独…

土曜の夜どんな夢をみようかね

背中にふこふこくちばしを埋めてぼくは夢を見ている夢の中でぼくは人間になって人間にしかできないことをしてみたいこっそりケージを抜け出して流星群を逆行してあの星雲のあたりまで散策にいくくらいのことはぶんちょのままでもできるから人間にしかできな…

ピリカと遊ぶ

ピリカを初めてオレンジ毛布にご招待したぼくのとっておきの場所温かいでしょここをバウンドして遊ぶのもたのしいんだよぼくらは男の子同士だから縄張り意識なんてものも大事かなってかいぬしはお部屋のこっち側がぼくあっち側がピリカゾーンとなんとなくエ…

雪まみれのかいぬし

真夜中の雪がきらきら粒子の細かいきらきら街灯の下で枝の上で地面できらきらあんまり瞬くので足を止めると瞬きをやめてしまうのにまた歩き出して振り向くと思い出し笑いのようにきらきらひみつの信号のように瞬く雪が存在してない空間そのものもきらきらそ…

リスおじさんの思い出3

年賀状のやりとりもいつしか途絶えもう随分な年月が経ってしまったからあの二人はもういなくなってるかも知れないあの家はどうなっただろうあのピアノはどうなっただろう神社のリス達はどうしてるだろうより豊かな森を目指して団体で引っ越しただろうかそれ…

リスおじさんの思い出 2

ある日おじさんが「うちにコーヒーをのみにおいで」と誘ってくださった突然の訪問を奥様のしずかおばあちゃんは快く迎えてくださったおじさんがごりごりと豆を手で挽く年配の人の暮らしっぽい巨大なサボテンや君主蘭年季の入ったテーブル飾り棚の中の謎の人…

リスおじさんの思い出 1

野山で野生動物なんか愛でているおじいさんてのは高確率で鼻毛がでているリスおじさんもそうだったでもいいんだ帯広てのはとんでもなく寒いところなんで鼻毛ないと生きてけない氷点下の気温では川の水のほうが暖かくゆらゆらけぶりたちのぼる白鳥やカモが遊…

お正月って曜日感覚なくなるね

今日も良く晴れた美しい冬の日だった公園ではこどもたちがいろとりどりのスキーウェアでそり遊びをしてる遠くから見ると金平糖たちが砂糖の上を転がってるみたい景色ごと全部食べられそうだなあナナカマドの赤い実に積もった真っ白な雪こんな日の空のこんな…

ピリカのにおい

なんだかくさいとてもくさい例えるなら何だろう甘く煮詰めた何か優しさで燻した何かいつもくさいかわらずくさいでもいやじゃないむしろ嗅いでいたいそのくささに安堵するそれは息吹それは営みそれは深く深く吸い込んだ胸のその奥で共鳴する輝きそのもの開け…