ぼく風になって
気温の低い明け方の
朝日が金色に光るあの頃合いに
高い高い木の梢から
さわあと吹き下ろして
あたりに金の粉
撒き散らしてきた
キタキツネの足跡も
クマゲラの食跡にも
金の粉ふりかけて
空に吸い込まれてゆく星たち
押しのけられてゆく群青色
すこしのさよなら
あたりはきらきら
君のまつ毛の上にも
こっそりふりかけて
明け方の君の夢 鮮明にきらきら
起きているより
眠っている方が眩しい
そんな朝の訪れを先導して
ぼく静かに吹き渡ってきた
ピリカおしりばっかり見たら
ぼく 恥ずかしいよう