「無限」はだらりと横たわって
遠くを見つめる自分の視線が
ぐるり一周して
自分のお尻を見れたらおもしろいのにな
なんて 鼻をほじっていた
「有限」はそんな彼を見下ろして
きみはかわいそだねえと
しみじみつぶやいたので
「無限」は永遠に満たされないままで
枯渇し続ける自分が
うすぼんやり悲しくなってしまった
知らずにすめばよかったものを
広がり続ける悲しみの
いく宛のなさを思えば
いよいよほんとにどこまでも
ほじくっている鼻の奥の
暗くぽっかりとあいた底知れなさと
はてなく吸い込まれ続けることに
そらおそろしくなってしまった
どうしたらいいのだろう
どこまでもどこまでも
あるだけこの世の悲しみをかき集めて
投げ込み続ければ
やがて「無限」は鼻詰まりを起こして
憧れていた『底』に
手が届くこともあるのだろうか
ピリカのお胸の白い羽
ぼくにはない白い羽
なんて美しいんだろう
最初は隠されていた美しさが
成長の過程で現れてくるって
なんて奥ゆかしくも楽しいことだろう
きみのように愛らしい雛が
今日もどこかで誰かのおうちの子になったよ
その子の幸せ
ぼくら心から祈ろうね