桜 満開

飼い主呼んだ?

 

かいぬしぼくをみてるでしょ

いつもみてるでしょ

 

ぼくだっていつもみてるんだよ

もうずっとずっと

毎日みているんだよ

            ぷぷぷ

 

     ピリカです

ぬ!

かいぬしだめです

ぼくのレモンおちり撮らないでください

 

ぼくはかっこいいホヨヨマンだぞう!

             ぷぷぷ

 

 

 

春を生きることを喜びなさいと

  桜がゆれていた

 

どの季節を生きたって

生きることそのものには

同じだけの脈拍が必要なのに

なぜ 春だけ

拍動と拍動のわずかなすきまに

遠くの海の音が混ざり込んでいるんだろう

 

春に流す血や涙は

いつもよりしょっぱいのだろうか

どうだろうか桜よ

たくさんの約束をきみは見てきただろう

そのいくつかは守られ

そのいくつかは破られ

そのいくつかは

約束であったことさえ忘れられて消える

また来年の春の桜を

共に見ようという約束を

 

きみの花びらのひとつに

あの子の名前を書いておく

青空がうけいれてくれるなら

遠くへ遠くへ

飛ばしてほしい