スプーンだいすき

ぴっちゃん「あともうちょっとがんばれば

ぼくここに入れるとおもう」

 

ピリカ「無理だとおもいます」

どうしてもはいりたい

 

いつか入れるように思う

            ぷぷぷ

 

(ぴっちゃんが入れるような大きなおさじを

 探してあげようかな)

 

    ピリカです

ぼくはこのようにすっくと立つのが上手

上手というより

もはやカッコいいんだ

つねにカッコいいんだ

             ぷぷぷ

 

帰り道

なんかすごくいいことを思いついたのに

うちについたら

忘れた

 

思いついたなんかすごくいいことは

きっと目の前にあるいいことを

上回るほどではなかったんだろう

 

後ろ足で耳のあたりを掻くって

かわいい仕草だ

 

ぴっちゃんとピリカちゃんと

ふたりの両足をあわせても

私への接地面積はほんのちょびっとなのに

 

手の中でぴっちゃん

そのぴっちゃんを覗き込むようにして

手首のあたりでピリカちゃん

 

ふたりのあんよがあちあちになっていると

ぐんと気温が下がって

ちょっぴり冷えて帰ってきた私のからだも

たちまちに温まり

ほかほか眠くなる

            

曇りの日は早くねむくなるぴちピリ

おにいちゃん

今日は曇ってて夕焼け見られないけれど

ちょっとあそぼうよ

 

このあたりちょっと

かみかみしたり頭でずううんとしたりしよう

 

せっかく出てみたものの...

ぼく眠い

しばしにぎにぎしてから

ぴっちゃんおやすみしました

 

あそぶあそぶ!って張り切って出てきたものの

ピリカちゃんも眠いらしく

おやすみしました

おやすみ

わたしの大切なたからものたち

 

また明日あそびましょうね

 

地獄

空がまるっきり地獄だった

オレンジ色にふわっと優しく終わる夕陽と

激しく赤く燃える夕陽があって

どうやら湿度の関係で色合いが変わるようだ

 

ぼく眠いけど

凄い空だったからかいぬしと一緒によく見たよ

 

     ピリカです

ぼくは今日もずううんずううん!の

遊びをしているところ

こうやってずううん、ずううん!って

頭突きして気に入ったくぼみをつくり

そこに向かって歌います

む....

おにいちゃんじゃましないでください

              ぷぎゅ

 

 

 

 

天国はそれぞれ好きなように解釈する自由がある

でも地獄はぴたりとはまる

だれの解釈にもそれが地獄であるとはまる

 

 

 

たとえば

とても大雑把にざっくりと世界を

「ふしあわせ」と「しあわせ」に分けるとして

 

私が「しあわせ」の側にいるとするならば

私はそのしあわせを引き受ける責任がある

       のかもしれない

 

どうにもならない人達のことを考えても

どうにもならなくてかなしくなった

でもかなしくなるだけで、どうにもならない

 

手をうんとのばして

その手の及ぶ範囲の中の人たちを

ちょっと笑顔にしたり

喜びを分かち合ったり助け合ったり

そんな方法で平和を実現していく

「平和とは!!」と声を限りに叫ぶ方法以外に

できることは、

自分に届く範囲の人々と一緒に

平和を実現していくことかもしれない

(あらゆる手段や可能性のひとつとして)

 

それはきっと

大好きな人に「大好き」と伝えることだったり

この世の美しいものを美しいと

讃美することであったり

きみが

ぼくが

生きてここに在る ということを

まるごとそのまま喜ぶことではないのかしら

 

どうにもならない人達のことを考えて

あまりのどうにもならなさに

思考が停止するのだけど

でも

この世に地獄が存在するってことだけは

頭のかたすみにいつも知っておきたい

 

それでいいとおもう?

それでいいよ

 

 

 

 

ひまわり

すっかり涼しくなったから

手の中さいこう

寒くても暑くても ここが好きだけどね

 

指の隙間にそーっと

くちばしをはさみいれるのも

たのしたのし

 

    ピリカです

ななめの太陽に

ぼくのすねげがキラキラです

ぼくこのようにほら

しっかりお手入れしてるからね

             ぷぷぷ

 

ゴッホの絵ではだんとつ、「星月夜」が好きで

スマホケースも星月夜です

ぴっちゃんもピリカちゃんも

スマホのカメラをむけられるとき

いつも星月夜を見ているわけです

 

「ひまわり」は

子どもの頃はなんだか心に響かなかった

青空にはじけるような鮮やかな黄色というわけでもなく

くすんで薄茶色で半分枯れかけているくせに

へんにねろねろとしていて

ちっともきれいと思えなかった

ルノワールの絵のように

光に向かって薄目をして

自分のまつ毛の間からきらきらと見えてくるような、

そんな絵がきれいな絵の代表だと子供の頃は

思っていた

 

でも大人になった今は

ひまわりの凄みがわかる

花が枯れかけて終わりを迎えるそのとき

その中心ではいのちの種が実っているさまを

  • ゴッホはちゃんと描いているのだ

 

好きになった女の人には「きもい」と言われ

大好きなゴーギャンには「うざい」と去られ

村の人々からも疎んじられ

欲した成功も理解も得られず

ひとりぼっちのアルルで

「きみのひまわりはとてもいい!」と

褒められたひまわりを何枚も何枚も黙々と

描いていたゴッホを思うと

このねろねろとしたひまわりの発している

凄みみたいなものが

伝わってくる気がする

 

「身軽」の反対語ってなんだろう

(身重...だとまた別の意味になってしまうし)

つまりそんなかんじ

粘度の高い、重い液体から足をひきぬいては

ようよう次の一歩へとまた足を浸す

底を蹴り上げて進むためには

やはり深く深く一度

もぐりこまねばならない

そんなかんじ

 

ねろねろとひまわり

ゆらめいて

見えない炎に焼かれてるみたい

きっとこれを描いているゴッホ自身も

ねろねろと焼かれていたと思うのです

自らの内なる炎に

 

現存するひまわりのうちひとつは

日本の美術館にあるので

観に行きたいと思います

 

 

 

ちなみにこの原田マハの小説は

ゴッホが自分を撃ったとされるリボルバー

めぐる話です

(まだ半分しか読んでない

ぴっちゃんと一緒にのんびり読みます)

 

 

 

 

 

カラスが上から降ってくる

一緒に本を読んだ午後

ここにもぐりこみたい

          ぷぷぷ

 

ぼくもぼくも

 

ピリカがきて邪魔してる

今日のいたずらもだいせいこう

            ぷぷぷ

 

夕陽を受けた雲は

陰影がはっきりしていて

細かな凹凸もくっきりあぶりだされて愉快

 

私のすむ建物の屋上にも

夕暮れ時はカラスが並んでいて

私と同じように夕陽を眺めてるんだと思う

 

日が沈んで

あたりが暗くなってゆく頃合いで

一羽、また一羽と

屋上からカラスが下の樹々のねぐらへと

降りてゆく

 

高いところから降下する時、鳥は

翼をとじたまま

頭からダイブするように身を投げる

そこから空気の層にバウンドするかのように

羽を広げてふわり

目的の枝へと上昇する

 

下降から上昇へ転じるその角度が

大きく弧を描くように

余裕をもたせるカラスもいれば

やけに鋭角なレ点を描くものもいる

 

私の階からはちょうど下降する彼らが見えるので

空からカラスが降ってくるみたいで

おもしろい

 

一羽、また一羽

カラスが上から降ってくる夜のはじまり

 

 

病院は激混み

ここにはいりたい

 

なんとかして はいりたい

 

サイズ的に問題ないと思うんだけどな...

 

(いえ、むりですよ..ぴっちゃん)

 

      ピリカです

ぼくもはいりたい

はいっちゃえ

 

いたずらたのしたのし

              ぷぷぷ

 

かいぬしは鼻垂れ星人です

熱もすぐ下がって

喉の具合もみるみるよくなったけれど

今日一日でなんと大量のティッシュ

使ったことか

風邪を引くってエコじゃない

鼻の穴の終わりくち部分と

のどの始まり部分のあたりがやられてる感じ

 

そういえば以前、どこかの病院で

「今日はどうされました?」ときかれ

「風邪をひいてしまって」と答えたら

「風邪かどうかはこちらが判断することだ」と

やにわに怒られたことがある

 

皮膚科でもあったあった

「じんましんがでてかゆくて...」と言ったら

「蕁麻疹と湿疹の違いがあなたにわかるのか」と

いきなり怒られたこともあった

 

「てやんでえ!

黙って薬をよこしやがれぇ!」と

こちらもそれ以上に強い口調と態度に出た方が

よいのか

まあ黙っておとなしく

「へえ 左様でございますか」と

膝の上で手をぐーにしていればよいのか

 

瞬時に取るべき態度を選択して

その時々、無事に診察をくぐりぬけてきた

 

たどりついた今の医師は

たぶんここいらでもいちばん優しい先生

だから大人気で大混雑

 

でも仕方ない無理もない

具合悪い時くらい(悪い時ほど)

優しくされたいものですから

 

 

 

風邪かいぬし

ぼく今日もむっしゃむっしゃ

豆苗をたべたよ

 

   ピリカです

今日も元気に飛び回って巡回

ぼくのがんばりによって

このおうちの平和と安全はたもたれているんだ

                 ぷぷぷ

 

 

ベランダにカラスさんがきた

きみも秋の空を眺めたいのかい

 

結構な時間をそこで

ゆっくりと過ごしいた

 

ぴっちゃんピリカちゃんは

窓の外のカラスさんを少しも怖がるふうでもなく

いつも通り

歌ったり食べたりしていた

 

つい先日まであんなに暑かったのに

いきなり上着が必要なくらい寒くて

風邪をひいたようです

のどがいたい...

 

病院は廊下まで人であふれていて

やっと診察をおえたものの

薬局も1時間待ちらしく

あきらめて明日とりにいくことにしました

 

季節の変わり目

みなさまも気をつけておすごしください