2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

また会いましょう

背中からばたんと倒れてしまいそうだったのは強風が吹いたわけではなく現実に突き飛ばされたわけでもなく夢で頭がくらくらしたわけではなく障害物にひっかかったわけでもない登りの険しさに筋力が足りないわけではなく価値観の変動に平衡感覚を失ったわけで…

足掻く夕陽

ベランダで逆立ちをしてると夕陽に足をひっぱられてもろとも空へ落ちていきそうになる深い青さに追いつめられて道連れが欲しいのだろう真昼の熱を残したぬるい縁を握りしめて夕陽の強烈な引きの力に屈するまいとぼくは耐えているからだの内側では心までもが…

みずあびだいすき

今日はとても暑かったぼく何回も水浴びしたぼくが浴びるとピリカもつられるように浴び始める2つ並んだケージからばしゃばしゃ水がはじけとんでぼくらの午後は光ってたよぼくの換羽は終盤みたい水浴びのお風呂にぼくの羽ぷかぷか浮かんでちいちゃなボートみ…

皮膚科にて

「今日はどうされましたー」 ええとここ最近背中がひどく痛むんです 夜、寝れない時もあります「重いもの持ったりしましたか」 そうですね わりといつもつねに けっこうずっと持ってる感じではあります「ちょっと見てみましょうね」 はい お願いします ああ…

きみがすき

きみはさぼくをすきとかいわなきゃだめだよそれはね許可するってことなんだよとてもおおきくていちばんやさしいここにいていいよってゆるすことなんだよただそのまんまでかえがたくとおとくいきることによりそうってことなんだだからぼくはねきみがすきだと…

懐かしい写真

これピリカじゃありませんぼくですここにきたばかりの頃のぼくぱやぱや雛羽が残っていて赤ちゅんだね ぼくこれは前にも載せたことあるけどぼくが初めてここのおうちに来たときの写真とても大事な一枚なんだぼく全然きんちょうしてなくていきなりこうやってお…

小鳥達の沈黙

小学生の頃 刃物を持ち歩いて森にでかけていた“かすめ網”を破壊するためだヤバい人たちの設置してるものだから行ってはいけないとおばあちゃんに言われたけど知るもんか今でもおぼえてるカッコウの声こだまする森の奥川のせせらぎ舞いあがる揚雲雀風に鳴る樹…

仕掛け絵本

この本は開くと こんなかんじ王子さまが1日に44回夕陽をみた場面王子さまの星はとてもちいちゃいから椅子を移動させながら何回でも夕陽みることができるでもなぜサン=テグジュペリは「昇る朝日」を見ることができるとしなかったのだろう王子さまは言う「ほら…

カニさん

蟹はねああまったく水平線てのはどこまでも いやんなるくらい水平線だよなって考えてこのままじゃどこまでも平行線だから不屈の努力で縦に歩くことにした前に向かって歩くには元気よく手を振る必要があったけどいつも空にむかってちょきちょきし続けてきた手…

なかよしおやつタイム

もぐもぐこのガラスの器をつかうと小さなくちばしが当たる音が涼しく響きます音までもが愛らしいほらピリカピーマンもしゃくしゃくおいしいようんしゃくしゃくおいしいねっお兄ちゃん見て見ておまたのとこ お盆でかくす隠し芸みたいじゃない ぷぷぷ.....ピリ…

いまさらながらはまりました鬼滅

薄ぼんやりの陰影の中で人が動いてる気配って色をなくした海中で浮かぶことも沈むこともできずにゆらゆら閉じ込められているみたいだね光と影のあいだにはなにかがあってそのなにかはいつだって影の側に逃げ込もうと苦心しているたとえば悪事ってのは照らし…

目の話

ひどいもの見るときは右目だけで見るようにしてたそのせいかしらないけどなみだがでなくなってしまったあんまりひどいものばかりうつし続けて 右目はしにかけているんだそれで思ったんだけど右の頬を枕に押し当てて暗闇をみつめながらただ黙って涙をながした…

続・燃える頭

末端から四方おいつめられて頭蓋骨の内側に閉じ込められてどうするどうするって手足はもうしんでいるから首から切り落としでもしない限り頭ひとつじゃどこへもいけないしそこで集団ヒステリーよろしく喚き散らすしかないんだよな頭が今夜も燃えてます保冷剤…

ふたりの日記

ピリカです今日ぼくは嬉しいことがありました羽をばたばたさせたら前に20センチ飛べました!いつもなぜか後ろに進んでしまうのでなんだかこのやろこのやろってテーブルのすみっこカミカミしてたけど行きたい方向へ体がふわっともちあがってぼくはびっくりし…

左手だけ妙に長い女

左手だけ妙に長いあたしは一直線にのばした腕の先の青空をみている想いがするすると腕を走り抜け指先から空へと離陸するところだ人のこころが深く及ばぬよどみにまでこの腕をつっこんで落とし物を探し続けてきたのだ精一杯よき左手たらんと右手の何倍もがん…

雨降りもまたたのし

(上 ピリカ 下 ぴっちゃん)かくれんぼしてましたずっと雨の音きいてるとね雨と自分の境い目がなくなってくるよねあれ空からぼくらが降ってくる葉っぱでバウンドして細かく弾けたと思ったら隣の雫と一体化してかたつむりを襲撃だごめんね かたつむりでも君…

採血のときに妄想している

初めて聴いた音を小鳥がその歌に編み上げるようにわたしは波の音を血管の中に編み上げたのです親指をぎゅっと内側にいれてにぎりこぶしを作ると青白い皮膚の向こうから我こそは と浮き出てくるわたしの血管いい血管ですねえとほめられた血管は照れたけどはり…

ぼくは木になったら

本のページで指切ったすうっとにじんできた血は緑色だった傷口を剥き晒してみれば芝を刈ったあとのような匂いそのうちぼくの肩口から宿り木が芽をふくのかもぼくのひじやひざはフシっぽくなって頭皮からは葉がおいしげるぼく木になるんだ長い年月を立ち尽く…

ほおづえ

ほおづえついてはじっこのほうからはみだしてしまっている空をながめてどうしてあんなにもこうなんだろうと考えるどうしたってこれほどにもどうしようもない膨張をつづける空の下で頬はつえからすべりおちてぼくはかくんとうなだれてしまったいろんなくるし…

文鳥愛が炸裂する

くちびるに触れるか触れないかのぎりぎりのところでとめておくのがすきだうすいうすい境界線をのりこえてつたわってくる体温と匂いきみはたしかにここにいるねすくいとってどうやって互いの内側にうねり流れ続けている血潮をもっとはげしくもっとながく走ら…

おにぎり考察

みんなが頂上にさしかかる頃8合目付近で休むさぼってなんかない靴がみんなより重いんだだからあいつらの何倍も心肺機能と筋力は鍛えられてるみんな頂上でおにぎりを食べたがるでもおにぎりなんて好きな時に好きな場所で食べるんだおにぎりってそんなもんだ後…

花言葉は「かなしく美しく」

今年もハマナスが咲いたおばあちゃんは「ハマナシ」って呼んでたハマナスの実をかじるとね夕陽の味がするんだよ理由はわからない海に沈む太陽は 街の向こうに沈む太陽より大きくて熱いんだ齧ってみたらわかる海に落ちる時のじゅって音がするからおばあちゃん…

燃えるあたま

夜中にボヤ騒ぎで目覚めるなんて熱さだ火元は自分の頭だったそういえば昨夜いらない記憶を焼却しようと頭の中に火を吹く蛇をいれといたんだった蛇ははりきりすぎて想定外の火力におどろいて細かく分裂して逃げ出したらしいまぬけな子蛇たちはあたまの毛穴か…

右手だけ妙に長い男

右手だけ妙に長い男は売ってる服はどれも合わない袖口からのびた長い腕で自転車こぐと左にばかり曲がるのでゴールに着く前にぐるりスタート地点に戻ってしまうリコーダーで楽しく歌いたいのに右手と左手と唇の距離がそれぞればらばらすぎるから口笛ふいてご…

日曜日

ぷちぷちぱきぱきシードおいしおいし♪ぷちぷちぱきぱきおいしお..いし... ん?今なんか通ったよね?ぷぷっ 平和な日曜のひとこまでした🐥

つつ

そらをくるくるまきあげてつくったつつでのぞいてみたらうちゅうのはてでかみさまがさぼっているのがみえたぼくらのくのうをおつまみにいっぱいやろうとしてるところあなたのくれたしゅくだいがおわりそうにないのでぼくもさぼってのんでおくよくあさあかる…

空っぽやみ

「からっぽやみ」って知ってるかな空っぽな闇みたいでしょ(病みかな?)おじいちゃんがよく言ってたあいつはからっぽやみだって。意味は「怠け者」ちなみにこれ、東北では「かばねやみ」というらしい屍 闇(病み)なかなかしびれる方言だと思ういつかこの言…

まゆげ夫人の扱いかた

今日 意地悪だったあのおんなのひとのまゆげがやっぱり今日も滑稽だっただから心の中でなんだよそのまゆげって言ってやったそしたらまゆげは少しもうしわけなさそうにこの人ほかはかんぺきなのになぜかわたくしたちだけ変なのですヨガの途中で足のつったイモ…

夕陽と競争

夕陽とぼくらは競争した赤く染まっていく夕陽に口を大きくあけてぼくののどの奥とどちらが赤いか競っていたんだよのどの奥に金の光りがつぎつぎ刺さってぼくはあくびばかりでちゃったピリカは夕焼け空にかみついて自分のホヨヨにひきずりこもうときゅるきゅ…

初夏を感じた6月のはじまり

おかえりかいぬし ただいまぴっちゃん 何してたのかなえっとね今日はねぼく山まで飛んだピリカもホッピングでついてきて山のてっぺんに残る雪をみてきたヒグマの大きな足跡と滑って遊んだ小さな足跡を見たよそして山のてっぺんから向こう側を見たどこまでも…