2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧
満ち満ちて心を押し広げる想いに圧迫されてめんたまが飛び出てしまったぼくのめんたま右目は西へ太陽を追いかけて左目は東へ太陽をお迎えにそれぞれに旅立って行った道々片目たちはそれぞれ行く先々の悲しみと喜びに焦点を合わせてあらゆる涙と笑みを数えな…
スズメ蜂が飛んできて寒いのでどうしても胸元に入れてくれと言う大変気の毒ではあったけれども刺されたら痛いしあぶないしどうしようかと考えあぐねているうちに「失礼しますね」と彼はもう入り込んでふこふこと温まっているあれこの感じふわふわあたたかな…
ちょっとだけケージからでてみた今年の換羽はいつもよりしんどくてほとんど動かず寝てばかり起きてる時はなんだか怒りたい気持ちがするだって体じゅうもそもそかゆいんだものええとねニンゲンならば体じゅうから親知らずが皮膚をつきぬけて生えてくるとこ想…
公園のベンチで男の人がギターを弾いていた開きかけた桜の前でところどころつかえながら歌っていたこどもたちは完全に無視して枯れ枝で地面に規則性の無い線を描いているぐねぐね大蛇がのたくった跡のようでもあり波打ち際のようでもありこれ以上崩しようの…
ピリカですお兄ちゃんがあんまりぐったりなので今日の夕暮れ当番はぼくになりましたでもぼくお兄ちゃんみたいにじいっと夕陽を見つめるなんて難しいなんかそわそわ落ち着かなくてカミカミできるものを探してばかりだめだこりゃおっこれはぼくのうんこティッ…
最後に見たのはいつだったか思い出せないほどに見つめてみる目の前のこのニンゲンは いきものは一体なんなんだろうとふとわからなくなるほどに見つめてみる100年前にもこんな日があったねこの光景を違う目で見ていたねこんな想いがいつか読んだ本に書かれて…
ぼく換羽期で朝のリサイタルもやる気が出ないぼくが歌わないとピリカも歌わないので朝が静かでかいぬし寝坊したお兄ちゃんがケージから出てこないで寝てばかりなのでぼくひとりおやつタイムおにいちゃんいないとつまんないな豆苗も元気なくなっちゃってるよ…
「正義」を太陽に透かしてみたら「ごめんなさい」と書いてあった長らく騙し続けて悪かったと簡潔に詫びてあった なるほどそんな詐欺に踊らされて 人を傷つけ 時に奪われ 虚しく争っていたのか 勝ちのこない戦いの場で失い続けていたのか「正義」は申し訳なさ…
(ぴっちゃん)オレンジ毛布のようにあたたかい夕陽の粒子ぼくの羽を優しく撫でてくれてるからこの時間ぼくはすぐ眠くなるかいぬしと二人静かに夕陽をお見送りしていると時々夕陽は悪い冗談のように空を地獄に変えてげらげら笑ったり胸打つ余韻だけを残して…
学生の頃使っていた駅に数年ぶりに降り立ってみたら確かに風はいかにも冷たい暗い階段登って地上に出ればここいらもずいぶん変わりましたね知らない店の林立の中であらぬ方向からなだれ込んでくる懐かしさに足元をすくわれそうだしなんだか笑いたいなぜあん…
風になるには今日は冷たすぎるまだ逝くなよな きみもう見えないかい足を止めて嗅いでいるそれはつくしだよロベリアはまだ先だネモフィラもまだ当分かかる今日の風はようやく水仙とクロッカスがまじってる関節の曲がらない君はぜんまい仕掛けのぬいぐるみのよ…
かいぬしっそれなになに? 一パセリですぼく食べてみる!どれどれむしゃむしゃうーん微妙だけどぼく食べれる結構おいしおいしピリカちゃんは?ぼくやだ匂いがやだ形もやだ近寄るのもやだおにいちゃんよくあんなの食べられるよねなんでも食べるからでぶんちょ…
好き勝手どうぞ 高貴とか神秘とか エロいとかほのめかしてるとか 気持ち悪いとか気持ちいいとかいろいろ言ってくださって構わないだって全てを既に含んでいるんだからダヴィンチの眼球を後ろから覗き込むようにして私の秘密を暴こうと謎解きに興じる方々は見…
心に穴があくってどんな感じなんだろその穴からのぞいたら何が見えるんだろその穴におおいと声かけたら声はだれに届くんだろいっそ飛び込んでみてどこへ続くのか探索してみようか穴があいたら心をずるすると内側に巻き込んでいって裏表逆にしてしまえよ心は…
耳を塞いで走ろうと思った特別な言葉を聞いた後でもう耳を縫い閉じてそれを閉じ込めてやろうと思った奪われるわけにはいかないと思った誰とも分かち合えない類の崇高な孤独を目指してその熱量で走るつもりだったその効力の失われる限界域まで行けると思った…
こんな写真でごめんなさいでもどこのおうちのぶんちょさんもきっと同じことしてると思ううんこした後じっと見ちゃうのまぎれもなく自分がだしたものなんだけど「なんじゃこりゃ」って毎回思うんだよだから人間も「なんじゃこりゃ」って思う理不尽さに「なん…
ぼくピリカですぼく怒ってる爪切り大嫌い!!ぷぷぷ目をつぶってじーっとしてるうちにすぐ終わるのにねピリカ怒りすぎだよたくさん切って出血させるのが怖いのでちょっとのびてきたらちょっと切るを短いスパンで行っています「ぴちぴちぴっちゃん爪切りぱっ…
幸せになりたかったとてもとても幸せになりたかったその人はただ幸せになりたかったでもだめだった届きそうなところでだめだった手をのばした方向がずれていたその人は生きていたかったとてもとても生きていたかったその人はただ生きていたかったでも尽きて…
それは素晴らしい午後だったぼくら3人で静かに身じろぎもせず互いの呼吸を分け合っていたんだよぼくの吐いた息をかいぬしが吸いピリカの吐いた息をぼくが吸うピリカゆっくりと目を閉じるぼくもゆっくりと目を閉じるそんな動作の1秒がとんでもなく長く引き伸…
オスマンティウスというハンドクリームにさとみさんが足を止めてああこれ金木犀ね初恋の匂いだわと笑う封筒に優しく想いを入れて恋する人の心を覗き込むような期待で郵便受けを開け閉めするようなスマホなんてない時代の話ある日その少年は手紙に金木犀を入…
心はせいていていつでも肉体の二、三歩前を行ってる肉体は置いてゆかれまいとやや前屈みに早歩きする心が導くのは一体どこなんだろと肉体は訝しんでつぶやくでも何か期待に包まれてもいる心は咲いていてこの先も肉体を先導して走る壊れやすい肉体の脆さより…
どうにも眠いいくら寝ても眠い怠惰に近い安らぎ春のせいにしていいかこんなにもさみしく孤独感に人はどこまで耐えうるものなのだろうと優しい気持ちにあふれてみんなまとめて抱きしめてしまいたくなるのにそのあとで開けるべきでないお酒の蓋や開けるべきで…
桜とおすましピリカぼくはちょっと換羽がはじまったみたいで体がだるいでもケージはいやだようここがいいんだよほこほこ手のひらあれれこんな青空から雪が落ちてきたまた何かしら却下されて天使たちが空でシュレッダーをかけてるんだろうおにいちゃんお尻ま…
負けたくないという気持ちだけが宙に浮いていてでも競うべきことがらも相手もいないのにどこから来たのかこの気持ちその気持ちをつぶさに観察してみればどうやら負けたくないのではなく負け続けている自分のかなしみやさみしさがとけこんでて仕方ないじゃな…
ぐるぐる回るぼくの周り幾重にも水の輪がぼくを取り囲んでひろがってゆく回る回るぼくは回るでもなぜ円なのだろうぼくの見えてない背中側では三角や四角だったら嫌ですから全部かくにんしないと嫌ですから回る回るぼくの目は回らないあぶないだろうと叱るお…
こんなに美しい朝に言葉は必要かいこんなに無力なことばは必要かい空が無垢すぎてどこまでも行けてしまいそうだ空の先に何があるのか知ってるよ鍵盤のその先にある音も知ってるよいのちが出入りする場所も覚えてるよどこまでも行けそうな気持ちでどこまで行…
ピリカ初めて見るでしょこれが桜ですよ桜ぶんちょの桜ですよ君のお胸に混じる白い羽の部分が桜の花びらの如しって由来なんだよでも君の場合は北国ぶんちょだから雪片もようということになっているぼくはええと...ええと桜みてたらほんわかしてきてスヤァ愛ら…
死なないものを愛せたらいいのに溶けない雪に埋もれ続けられたらいいのに散らない花を愛で続けられたらいいのに変わらない風に変わらない今日の変わらない君と僕の翼が風を受け続けていらられれば良いのにやまないでくれ優しい風去らない人のそばにいられた…
スマホの画面はねぼくの足にも反応するのぶんちょのことばで君に送ろうかぽぽぽぼくの春のご挨拶みなさんへ送ろうかぷぷぷそれからぼくの自撮も送ろうかねえかいぬし春ってどんな顔してるの?窓から入ってきてげらげら笑うのはなぜ?ぼくの顔へんかな花はど…
少し酔うそれからちょっとむせるなぜならばグラスに口紅がねっとりつくのが嫌で少し浮かせるようにして飲んだものだから昼でも夜の不浄をわざわざ引き受けられるようなおおらかなアルトサックスをね退廃的なリズムが支えてる寄り添っているんだよ生きること…