雪の上の影は暗い青色ふしぎ
街灯の加減で影が
右に左に二つ出るふしぎ
孤独を分配するかのように
足下からはえてる二つの影は
誰もいない校舎になり響くチャイムを合図に
手を取り合って走り去る
笑い声が
雪面の凹凸にひっかかって
ところどころめくりあがってる
真っ暗な夜の校舎ほど
怖いものはなさそうだけれど
駆け上がった階段の踊り場で
駆け降りてきた幽霊と
出会いがしらにぶつかって
おまえあやまれよ
いやいやおまえこそあやまれや
おれ幽霊だし!
あたしたち影だし!
なんて延々やりつづけるのも滑稽だ
暗い建物の中より
暗い心の深部を覗き込んで
そこに何か見つけてしまうのも
何もないことを見つけてしまうのも
これまた滑稽だから
影と幽霊はいっそ仲良く楽しげに
廊下を疾走し
校庭のハルニレの木の幹にてをかけて
ぐるぐる回り続けて
闇夜の味するバターになるがいい
お、おやつの時間かな?
ピリカ ブランコ揺れすぎ
降りられるかい?( ´ ▽ ` )