2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

かみかみピリカ

ホヨヨボールであんなに揺れてちいちゃなこどもらしくきゃっきゃっとブランコから靴をとばすみたいにして小松菜をむしり散らかして掃除したばかりのケージの床を緑のじゅうたんにして君は得意気人差し指をかみ親指をかみその付け根の部分をかみ爪の横もかみ…

ピリカ笑う

とても純度の高い金属の中で星のかけらが転がってるようなそんな音が隣の部屋から聞こえてきて朝がどうしようもなく透明感を増してしまったそうだよピリカが笑っているんだよ朝を迎えた悦びに音階をつけたなら君の笑い声になる真っ黒だったくちばし鼻の穴の…

とりあえず進む

前から見ても可愛いものは後ろから見ても可愛いにきまってる右足から始めた道のりは左足から始めても同じ場所に到着する初めから終わりまでを終わりから始めることはできるすでに許されている罪を償いながら重ねることはできるだが死んだように生きることは…

大袈裟だけど天啓のごとくうつくしい歌

ピリカとはアイヌの言葉で『美しい』という意味なんだぼくの名前と同じ『ぴ』の音から始まるのもとても気に入ってるおばあちゃんちのトイレにあったアイヌ民芸品のタペストリーそこに「ピリカピリカ タントシリピリカ イナンクル ピリカ ヌンケクスネ」って…

ピリカちゃん

もうずいぶん前からぶんちょ会議を重ねて検討してきましたぼくにおともだちがいたらどうだろうって野鳥さんに向かってお返事したりかいぬしが仕事から帰るとうんこが同じ場所に降り積もってるのをみて鳴き交わす仲間がいたらぼくのためにもなるんじゃないか…

名を与えるということ

自転車に名前をつけたことがあるホームセンターに並ぶその他大勢と何ら変わらない自転車名を得た瞬間に彼女の命の歯車がかちりとまわり出してただの道具から意思もつ存在に昇格してしまった冷えたハンドルやサドルに体温が伝わり始めると彼女は軽快に歌い出…

ぷちぷちとはみはみ

雑穀おにぎりのいろんなつぶつぶをぷちぷちと噛んでいたらぶんちょのような気分だなとページをめくるぼくははみはみ三角のクリップをはさんだように噛み跡を残すそんな紙の凹凸までもが愛おしいからとっておきたい窓の結露の一粒一粒に宿る夕陽のささやきも…

お迎え3周年記念日

ぼく 初めて飛んだ日のことおぼえているよ折りたたんで背中でぴちりと合わさっていた両の翼を広げた時僕の胸は誇らしさに内から湧き上がる震えがはばたきとなって高揚する気持ち本当に飛べるかしらなんて微塵も疑うことはなかったぼく 今日も飛ぶ! 元気に飛…

200記事

気づいたら今日200記事だったようわあ200日って早いねこのブログのいいところはね開いてみたらまず強制的にぼくの写真を見させられるというところ!もっと文鳥の生態や飼育日誌的なものを想像して開けた方はうわあこれイタい系だわってぞっとして閉じるかも…

つまり今日も平和だったということです

枯葉かさかさ塩をまぶしたらおつまみにできそうなぶんちょほこほこ柔和な午後グレーの綿菓子ぷぎゅる ぷぴむしろ静寂を保つぶんちょの寝言

ぶんちょ流星群

厚い雲に阻まれて流星群を見ることができなかったので温もりの残る布団に戻り目を閉じて部屋に宇宙を招き入れるぶんちょ彗星は炎を撒き散らすこのチリは良く燃えますねぼくらを地面に繋ぎ止めていた手を放せばぼくら宇宙へおっこちてゆく美しく燃えて流れる…

酔うほどに不思議

今日は鼻の頭を強打したそれなのに酔ってみたら鼻じゃなく頭が痛いひどくひどく泣いた日に目じゃなくて歯が痛かったみたいに的外れな場所が痛くなるんだなとげとげの言葉は耳じゃなくこころを痛くするみたいに安いお酒で酔って気持ち悪さで歩く道が寒ければ…

点灯式は無し

計画を立ててた遠い未来ではなく近い未来にねこんなことしようあそこに行こうあの人に会おうあんなもの食べようとかとか報道される数字におののきながら確実に中止されてゆくあれこれ何かに反撃されてるのか何かのつけを払わされているのか去年のようにはイ…

生まれてきたいのち

柔らかな新芽にも硬い種子を突き破る強さがあるように青白く脆い幼虫にもじぶんの背中を破る強さがある卵の中で泳いでいた雛にも殻を突き破る強さがある尊いいのちがうまれます祝福の毎日をはじめますぱかりとあけた嘴の中で幼きクリシュナのように赤い赤い…

1分

1秒からにょきにょきと手が伸びて隣の1秒からも手が伸びてそれぞれの1秒たちはにょきにょきみんなで手を繋いでいた星と星のあいだにも無数の星があるように1秒と1秒のあいだにも無数の結び目が存在していたぼくは己の動体視力を誇りながら手を繋いだ1秒たち…

アカゲラさん元気かな

アカゲラさんへアカゲラさんお元気ですかぼくは毎日元気です夏の間は窓の外から君が呼びかけてぼくもお返事してましたが冬になってそれもできなくなりぼくは少しさみしいです裸になった樹々の中では君の姿も目立つようになりますね不意に枝がゆれてぱらぱら…

今日の頁に

季節にご挨拶今日の空にご挨拶同じ心で同じ今日が触れ合うことはもうありません霜の朝に触れず風花の午後に触れず傷む箇所にも触れず核心にも触れず夢の顛末を忘れ約束の相手も忘れ痛みの記憶も喪失しわすれてしまったことすらわすれてしまうから失いながら…

夢の続き

あまりにも美しい夢を見ていただから目が覚めたらもったいない気になった続きに戻りたくて断片を掻き集めた執着を掻き集めた地上にある美を遥かに超えて心を捉えて離さない場所死に戻るとはつまりそういうこと生を乗り越えて死に戻るということ悪くはないぼ…

今年の冬は瞬足です

窓の結露を震わせる朝の雷が雪を連れてきた遠くの山も街のあの塔も並木通りも冷たく編んだレースをはらりとかけて誓いをたてるもののように粛然と面を空に向けているいろとりどりのの葉っぱを積み上げた壮麗な寝床ではふかふかの尻尾を抱いてリス達は遠い春…

魂と対になっている重さ

時がぼくらから奪っていくものを返せとは決していわない時がぼくらに犯した罪にも償えとは決して言わないほどよく痛みながらけなげなほど不完全な魂でおいでと差し伸べる手にぼくはその魂と対になっている重さのいのちで着地します

いやじゃない

ああいやだよ3日たったよ いやだよ3日分歳をとったよ いやだよ3日分おいてきぼりだいやだいやだ3日分愚かになったよばかだよでも3日分つよくなったよたぶんおそらくかいぬしかんたんなことをむずかしく考えるのは贅沢な戯びです3日分えさがへったよ3…

こたえてみる

すべての問いにこたえなんて見つけ切らないうちに人生はおわるよかみさまはたぶんもったいつけてるかめんどくさがってるか実はヘブライ語しか知らないかのどれかだだから星の配置の完璧さであったり花びらの繊細な造形であったり波に生まれる泡の産声であっ…

先代ぴっちゃんドアノブがお気に入り

これから先 楽しいことしかありませんよと言われたら言われたである日 悲しみの必要性にせまられて抜けるような青空の中にさえそれを探すのがにんげんなのよねあらところでここに映っているぶんちょはとても美人ねでもわたし鏡に尋ねることはしないのみかけ…

街灯の下の樹の説得

眠ることを許されず罰をうけているかのように街灯の真下で煌々と一本だけ照らし出される樹まるでそれ自体が眠れぬ狂気から内側から発光してるように煌々と光をためて彼は夜を見張っていたその足元に寄り添って獣の丸い目が二つ やはり夜をにらみつけていた樹…

ゆっくり届けたいこと

ゆっくりお届けしたいんだよ“送信”という瞬間的なぱちぱち明滅しながら燃え尽きるよな直接的な感じじゃなくもう出来上がってるパズルが届くようにではなく郵便屋さんより更に遅く船便よりもっと時間をかけてまるごと全部ではなくあえて断片的にぼくお届けし…

触れられないもの

夜の暗い淵有限のまなこで無限を覗きこみ捕らえようと挑んだところでそこには敗北しか横たわっていない彼に手が届きそうな惜しいところでたいてい朝陽が邪魔をするそのむかし御衣の裾にせめて触れたいと手を伸ばした敬虔な人々のようにぼくらも永遠の淵へ手…

初雪の朝

今朝樹々は冷気に身を震わせて初雪を受け止めた朝陽より早く目覚めて彼らは初雪を祝っていたらしいぼくもぽわぽわの頭に雪をうけてみたいでもぼく体温高いしとても撥水がいいから雪のひとひらはダイヤモンドのかけらのようにぼくの体を滑り降りてしまうきら…

とくにこれといって文化的なこともしない文化の日だった

賢ければ説明はいらない想像力を兼ね備えていればたりる察する力で時に面倒な誠実さなんてものはないふりをしてそれではと踵をかえすことができるのだから後出しじゃんけんは上手く使って負けておくそれは優しさとも狡猾さともなんとでもいえる連ねた文章の…

きりりと冷えた朝

ぼくのおなかの中ではぜる何かがある春のくすぐったさとはまた違うなんだろう笑いたい気持ちかないやそれよりもっと強く大きくお約束したいきもちきっとそうだよ約束にこたえたいんだあの山のてっぺんあたりにたむろしている厚い雲の中に雪の子供たちをみつ…

そらをゆくとり

空がさみしがったので空のためにかみさまは鳥というものをつくった空はとても喜んでその翼を愛でて存分に自らを切り裂かせていた鳥は鳥で空に焦がれてその先へその先へ誘い出されるようにして空の青さにとけていってしまうその瞳には眼下の景色はもう映さず…