「思い通り」を買い求める列に
一応行儀良く並んでいた
並び続けてればいつか
自分の番も来るだろうと思って
でも飽きっぽいぼくらには
我慢が足りなかった
お金も足りなかった
小さな足踏みが物足りなかった
ずんずん大股で踏み分けて行きたかった
信じ続ける強さが足りなかった
或いは
信じた先にある失望に
怯えたのかも知れない
ちょっとちょっとねえねえ
お話の途中悪いんだけど
それぼくかみかみしちゃっていい？
ってピリカがやってきた
噛みちぎり芸術家のピリカにまかせれば
夢も理想も
現実も虚像も
ぎたぎたに噛み刻まれて
「思い通り」なんてものは
「思いがけない」ものにすがたをかえる
なんと愉快なことか
そうだねピリカ
選択しなかった思いがけなさに
逆に魅入られてしまうのもまた
よろしきことだよ
ピリカ君に
魂のかたぬきを依頼しよう
重さは20数グラムで頼むよ
ピリカ真似しちゃだめだよ
きみは着地が下手だから
お茶にダイブしてしまう
こうしてみるとだいぶ
後ろ姿そっくりになってきたね
