足掻く夕陽

f:id:bunchosparrow:20210629185706j:plain

ベランダで逆立ちをしてると

夕陽に足をひっぱられて

もろとも空へ落ちていきそうになる

深い青さに追いつめられて

道連れが欲しいのだろう

真昼の熱を残したぬるい縁を

握りしめて

夕陽の強烈な引きの力に

屈するまいと

ぼくは耐えている

からだの内側では

心までもがめりめりと

ひきのばされていくところだ

あんなに赤く

泣きはらした目で

自分で描いた地獄の絵画に

ひとりとりこまれることを恐れて

つかみかかってきた夕陽は

あきらめてひとこえ叫んで落ちた

残響のなか

目を凝らしたけどもう

その表情はみえない

ぼくはまだしばらくベランダにいる

ひどく炎症をおこしたこころを

冷やしてしまわないといけない


f:id:bunchosparrow:20210629194938j:plain

夕陽をみるのは好き

単純にきれいなだけでなく

喪失と再生 循環と摂理を

感じさせてくれる

たぶん動物もわかってると思う

夕暮れ時に前足にあごのせて

じーっと見つめているリスや熊をしってる

f:id:bunchosparrow:20210629195536j:plain

ぼくもわかっているよ

かいぬし


f:id:bunchosparrow:20210629195626j:plain

ぼくだってわかってるよ

かいぬし

噛んで確かめてみれは

この世の謎はだいたいわかるよ

                 ぽぴっ