花言葉は「かなしく美しく」

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今年もハマナスが咲いた

おばあちゃんは「ハマナシ」って呼んでた

ハマナスの実をかじるとね

夕陽の味がするんだよ

理由はわからない

海に沈む太陽は 街の向こうに沈む太陽より

大きくて熱いんだ

齧ってみたらわかる

海に落ちる時のじゅって音がするから


おばあちゃんはテングサを採って

鍋で煮て

ところてんを作ってくれた

湯気から海のにおい

冷やして固めたら

てきとうふぞろいに包丁で切る

お店のものよりずいぶん固い

パンチの効いたところてん

おばあちゃんは「てん」って呼んでた

てんになぞの蜜をかけて食べる


おばあちゃん

お墓参りに行かなくてごめんね

ご覧のとおり

いろいろあれなのです

ところてんを買ってきたよ

謎の蜜をかけてたべるけど

これはびるびるへんにやわらかくて

「てん」とは違うたべものだなぁ

おばあちゃんの花

ハマナス揺れて

そこだけ浜風が薫ってる

あ、

「てん、おかわりあるよ」って

きこえてきた


          -ー命日によせて


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ぼくらもハマナスかみかみしたい

夕陽がこぼれて

ぼくらのくちばし

オレンジに染まったらうれしうれし



どうでもいいけど

ピリカのふとももたくましたくまし

           ぷぷぷ