夜中にボヤ騒ぎで目覚める
なんて熱さだ
火元は自分の頭だった
そういえば昨夜
いらない記憶を焼却しようと
頭の中に
火を吹く蛇をいれといたんだった
蛇ははりきりすぎて
想定外の火力におどろいて
細かく分裂して逃げ出したらしい
まぬけな子蛇たちは
あたまの毛穴から這い出て
床を這い
カーテンをなめつくし
窓をこじあけ
ベランダから外へ
燃え盛るマグマのように
赤黒く明滅しながら
朝と夜の境界線を
焼き切っていくところ
ぼくは燻った頭を
夜のいちばん暗く
ひえびえとした部分につっこんで
全焼をまぬがれた
おにいちゃんてほんとあまえんぼだよね
ぼく恥ずかしくて
そんなでろでろな甘え顔できないなぁ
ぷぷ