左手だけ妙に長い女

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左手だけ妙に長いあたしは

一直線にのばした腕の先の

青空をみている

想いがするすると腕を走り抜け

指先から空へと離陸するところだ


人のこころが深く及ばぬよどみにまで

この腕をつっこんで

落とし物を探し続けてきたのだ

精一杯よき左手たらんと

右手の何倍もがんばってきたこの手は

ずいぶんくたびれてしまったようだ

...なぜ あたしの左手だったのだろう

その気になれば遠心力を使って

空に殴りかかることもできるけれど

...あたしの左手でよかったんだろう

巣立ったばかりの小雀が

羽を休める場所に使ってもらえたらいい


空を漂うこころが上空から告げる

あたしの悲しみにぴたりと

サイズの合うよろこびが

角を曲がってやってくるところ

あたしの妙に長い左手と

ちょうどよく握り合える長い右手が

やってくるところ

互いの傷を誇りつつも

慈しむようになですさって

からみあってつながるけれど

でもあたしたちは両手はつながない


片方の手は

また違う誰かとつなぐためにあけておく

違う誰かは別の誰かを呼び寄せて

きっとあたしたちは大きく歪な輪をつくる

その歪さは

実によくこの地球の凹凸にはまる


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おにいちゃんどこー?

       ぷぷぷ   

ここだよ


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ぼくだんだん羽がのびてきたからね

かくれんぼだけじゃなくて

おにごっこ

もうじきできるようになるよ

追いかけ回されておにいちゃん

ダイエットできるねっ!

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            ぷぎゅる