どうにも眠い
いくら寝ても眠い
怠惰に近い安らぎ
春のせいにしていいか
こんなにもさみしく孤独感に
人はどこまで耐えうるものなのだろうと
優しい気持ちにあふれて
みんなまとめて抱きしめてしまいたくなるのに
そのあとで
開けるべきでないお酒の蓋や
開けるべきでない心の蓋を
開けてしまいそうになる堕落とはちがう禊
春のせいにしていいか
ふと海を見たい気持ちになる
1秒も待てないくらい見たい気持ちになる
潮風にわしゃわしゃなでくりまわされて
残像の部分こそ本体なんだと
むちゃくちゃな理論
証明するために飛び込んで
どこまでもどこまでもまっすぐ
泳いでいくの見てほしい気持ちも
春のせいにしていいか
いいもわるいも
盛られたものはきれいに呑み干すけれど
何もない日も欲しいんだよ
何にも要らないこの気持ちに
言い訳だけほしいとき
すべて
春のせいにしていいか
ライラックの芽が膨らんできたね
ピリカ
新しいかゆみ
新しいむずむず
それは期待感だよ
ぼくらの中で日々新しく育ってゆくもの
小さな小さな現象
それはぜんぶ春のせいなんだよ