(ぴっちゃん)
オレンジ毛布のようにあたたかい
夕陽の粒子
ぼくの羽を優しく撫でてくれてるから
この時間ぼくはすぐ眠くなる
かいぬしと二人
静かに夕陽をお見送りしていると
時々夕陽は悪い冗談のように
空を地獄に変えてげらげら笑ったり
胸打つ余韻だけを残して
無言の後ろ姿で去ってゆく日もある
ぼくらは歌わず
ぼくらは語らず
ただそれぞれの思考の底を流れているものを
分かち合っている
(ピリカ)
夕陽がおにいちゃんの産んだ卵みたいだ
ぼくは静かに夕陽を見てられない
夕陽からのびる金の直線も
雲のふちどりも
かみついてぎざぎざにしたくてたまらない
かみたりない
遊び足りない
待ってよ夕陽
ぼくのくちばしを恐れて
逃げちゃやだよ夕陽
ぼくはききたいことがまだまだあるんだよ
ぼくはまだ飛べないので
目の前を流れてゆくすべてのものを
かみついて引き止めたい時があるんだよ
ぴっちゃんとは静かに夕陽を見ます
ピリカは少しもじっとしてないのですが
この時間は彼なりに
ぴっちゃんに夕陽当番を譲って
止まり木から神妙な顔をして
静寂を破らぬようにして
夕陽をみてます
でもかみつく隙をねらっているようでもあります
ピリカちゃんいいお顔 ぷぷぷ