田中邦衛さんへ

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死なないものを愛せたらいいのに

溶けない雪に埋もれ続けられたらいいのに

散らない花を愛で続けられたらいいのに


変わらない風に

変わらない今日の

変わらない君と僕の

翼が風を受け続けていらられれば良いのに

やまないでくれ優しい風


去らない人のそばにいられたらいいのに

終わらないお話を読み続けられたらいいのに

詩人は尽きぬ言葉をしたためつづけられれば

いいのに


泥のついた一万円札はいつまでも汚れていて

自分の罪に向き合った幼き心は

泣きながらラーメン食べたらいい

「こどもがまだ食ってる途中でしょうが」

と父さんが叱ってくれる

裏庭では冬の樹々が

凍裂を響かせる


らららとかるるるとか

歌詞のない唄の

一文字の中に

いくつの時代の哀しみと愛おしさが

留まっていることだろう

それは懐かしさ 優しさ

否応なしに流れていってしまったひとつの時代

その中で懸命に愛し合った人々の物語

様々な問題をはらみながら

結局は愛がすべてを解決したのかもしれない

厳しい自然と向き合い

共生する北の人々が

たどり着いた境地で

結局は人の温もりが最後に

勝利したのかもしれない

いや したんだよ

変わってゆくもの

消えてゆくもの

忘れ去られてゆくもの

それら全ての時の移ろいの中で

結局人間のぬくもりは最後に勝利したんだよ


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田中邦衛さん

ありがとうございました

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なんか

さようならは違う気がします

道民の私たちにとっては特に


だから、

ありがとうございます