ぐるぐる回るぼくの周り
幾重にも水の輪が
ぼくを取り囲んでひろがってゆく
回る回るぼくは回るでもなぜ円なのだろう
ぼくの見えてない背中側では
三角や四角だったら嫌ですから
全部かくにんしないと嫌ですから
回る回るぼくの目は回らない
あぶないだろうと叱るおじいさんの目や
優しくぼくを静止しようとするおばあさんの目が
回っているんだ
ああ おもしろい
ぼくが「わはは」と叫べば
ぼくの「わはは」は水の輪に乗って
震えながら遠くへ運ばれてゆくよ
おじいさんやおばあさんの目ん玉もいっしょに
排水溝へおちてゆけ
ぼくの「わはは」と「ぐるぐる」は
じゃれあって仲良く広がり続ける
これは喜びだ
稀に安らぎと一体感だ
地球もひょっとしたら
自分の体の表面にはびこる
うっとおしさを薙ぎ払うために
予告なき高速回転を始めるかもしれない
飛び散ってゆくうるさい眼球たち
地球のあたりで新しいお祭りが始まったようだと
宇宙人がみんな見にくるかもしれない
ぼくその中でいちばん輝いて
ぐるぐる回ってみよう
桜きれいだね
ほんとは
桜で一杯やりたいところですが
かいぬしただいま禁酒中