触れられないもの

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夜の暗い淵

有限のまなこで

無限を覗きこみ

捕らえようと

挑んだところで

そこには敗北しか横たわっていない

彼に手が届きそうな

惜しいところで

たいてい朝陽が邪魔をする


そのむかし

御衣の裾にせめて触れたいと

手を伸ばした敬虔な人々のように

ぼくらも

永遠の淵へ手をのばしてみる

ほんの指先にでも

それが触れることを期待して

半分そんな夢物語からは

醒めていながらもやはり

古の人々がしたように

手をのばしてみる


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