そらをゆくとり

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空がさみしがったので

空のためにかみさまは

鳥というものをつくった


空はとても喜んで

その翼を愛でて

存分に自らを切り裂かせていた


鳥は鳥で空に焦がれて

その先へその先へ

誘い出されるようにして

空の青さにとけていってしまう

その瞳には

眼下の景色はもう映さずに

探究心と憧憬だけに輝きながら


瞬間ちらりと

愛が動悸をはやめても

翼にはもう降下の選択はない


己の意思が肉体を飛び出してなお

飛び続けていることに

鳥はだいたい気付かずに逝く