第3楽章

年末の街の中は

人で賑わしい

みんな酔っ払って大声で笑ったりして

なんか幸せそうでいいよね

湿った雪が降って

そのあと気温があがって雨になった

12月の雨なんて勘弁してほしい

そのあと気温がマイナスになったら

そこらじゅうつるつるで

みんな前屈みで真剣な顔した

擦り足民になるんだ

  

             ぷぷぷ

 

     ピリカです

丁寧にみだしなみをととのえます

ぼくはつねに

どこからみられてもかっこいい隊長ですからね

くちばしだってつやつやで

情熱の赤だぞう

おやつにかける情熱が

きょうも熱くもえあがるぼく!

              ぷぷぷ

 

 

 

 

 

どうすることもできない

かなしみというのがあって 

めためたにシュレッダーかけて捨てたくても

捨てられなくて

解決する方法も

そこに理由をみいだすこともできず

なぜなんだろう

なぜこのかなしみを引き当てたのが

自分なのだろうと

誰に聞いてもわからず

取り除けず

消化できず

居座ったまま

どの場面のどの選択によって

こうなってしまったのか

そんなかなしみがいつも隣の席に

平然と座っていて

ずっと長いことゆれつづけている

どうにかしようにも

もうどうにもならず

それは愚かといってもいいのか

不運といってもいいのか

そんなのをずっともちつづけたままで

「ええやん」と

第3楽章は語りかけてくる

かなしいまんまでいい

なくそうしないでいい

まるごとそのまんまのあなたでOK

かなしみがもはや

体の一部であるならば

一部分、かなしいまんまでいいじゃないか

一部分かなしいまんまのあなたが

一部分かなしいからといって

あの喜びに続く助走に

遅れるわけではありません

 

そんなふうに

おおらかな優しさに

包み込まれるような感じがして

第3楽章はとことん優しく美しい