赤とんぼに泣かされる

かいぬしおでかけかい

今日は秋の空がきれいだから

気持ちいいよね

おでかけぎりぎりまで

ここにはいっておくよ

              ぷぷぷ

 

    ピリカです

ん?

いまおちり撮られてたように思いますが

気のせいでしょうか

             ぷぎゅ

 

 

本日はイ・ムジチ

 

 

「四季」はやはり冬にかける熱量が違う

私の勝手な解釈だけど

 

夏も秋も「冬」のために存在してると

いってもいいくらい情熱的

 

日本語には「冬行軍」という言葉があるけれど

ビバルディのいた時代のイタリアにも

「冬行軍」って言葉や概念があったのだろうか

 

「冬」はまさにその行軍の足音で楽章が始まる

その足音はとても確かで

確固としたものだ

他の季節のように

「いいですかね?」と許可をとることをしない

誰の許可もいらない

俺が俺のタイミングでやってきたら

そっからもう冬なんだ

と、研ぎ澄まされた横顔みせながら

冬が行軍していく感じ

この楽章を聴くといつも

高村光太郎の「冬よ ぼくにこい」という

フレーズが浮かぶ

 

 

盛り上がりの中のアンコール曲

「赤とんぼ」

イ・ムジチによる「赤とんぼ」

長めの美しい前奏から不意にたちのぼってくる

チェロによるあのメロディー

完全に油断してるところをやられた感じ

誰もが知っているあの唱歌のメロディーの中に

たぶんみんな

幼き日の思い出とか

郷愁みたいなもの

その人なりの古き日本の心象風景を

かきおこされたのだと思う

 

半分は、うわ泣いたら恥ずかしいかも  

半分は、いいんじゃない泣いちゃっても

がせめぎあって結局

ぼろぼろ泣いちゃったんだけど

みんなも泣いていたし

鳴り止まぬ拍手喝采の中で

みんな鼻をすすっていたからいいんだと思う

 

そのあとは

坂本龍一の「ラストエンペラー

などど泣かせにきてる感じのアンコール曲

が続く

 

同じ感動を分かち合った者の気やすさで

隣席のしらないご婦人と

「すごくよかったわねぇ」

「あんな赤とんぼったらないですよね!」

などど笑顔でお話しした

 

盛り上げ上手なイ・ムジチ楽団でした