かみさまの指紋

みちみちにぎにぎの時に

かいぬしがそーっと手を開いたのに

ぼく気づかなくて

そのまま

にこにこ寝ていたぼく

しあわせが

手のひらにとどまっているんだよ

 

   ピリカです

ぬ!

かいぬし今日はこのぶどうですか

かみかみかみかみ....

 

うおお

おやつのよろこびできれきれの

ぼくのブランコ妙技

              ぷぷぷ

 

 

これは昨日のおおはしゃぎのピリカちゃん

 

ぴっちゃんは足がよわくなってしまって

ぽたぽたと跳びますが

ピリカちゃんは跳躍力がすごいです

 

 

昨日はチビすけピリカの写真を見返して

懐かしさに浸りました

初めてのぐぜり鳴きをよく覚えています

 

ぴっちゃんのお歌の音程をひろって

一生懸命チューニングしていました

音階の階段をころころと

小さな銀の鈴

転がり落ちるような

可愛らしいぐぜりでした

 

自信なさげに

はずかしそうに

「これでいいですか」って

お歌を完成させていったピリカ

 

今は自信たっぷりに胸を張って

高らかに歌いあげてくれます

 

ぴっちゃんが私のために作ってくれた

オリジナルソングを

ピリカも継いでいるのがうれしい

私はこの歌で朝、起きている

 

この歌を

この部屋の壁も天井も

家具も食器もみんな6年間きいている

 

もしも音というものが

我々の魂に

微細な微細な跡をつけるのであれば

そこにはなんと

繊細で美しく

喜びに満ちたものが描かれているであろう

 

だからわたしは

いつも美しい鳥の声を

美しい音楽を

美しい言葉を

きいていたいとおもうのです

 

魂に描かれた微細な模様というのは

ひょっとすると

そっと指をおしあてられた

かみさまの指紋なのかもしれません