てのひら死守

    ピリカです

ぼくかいぬしの腕のあたりで

一曲、披露しようかなーって

思っていたんだけど

なんかすっごく

圧を感じるものだから

お歌やめました

 

それはもう

すごい圧です

            ぷぷぷ

 

ぼく

手のひらだけは誰にもゆずれない

死守してただけで

ピリカのお歌をじゃまするつもりは

なかったよ

               ぷぷぷ

 

落ち葉どんどんちるちる

裸の幹が

ぎゅううと

朝の寒気の中で身を引き締めていた

 

ぼくらも

身に纏ったすべての装飾詞を

ふり落として

そのいのちの芯の部分には

何が残るだろうかね

ふり落として

残ったさいごのぼくらの意思は

やはり

しーんとひえた冬を目指すのかもしれないね