スプーンだいすき

ぴっちゃん「あともうちょっとがんばれば

ぼくここに入れるとおもう」

 

ピリカ「無理だとおもいます」

どうしてもはいりたい

 

いつか入れるように思う

            ぷぷぷ

 

(ぴっちゃんが入れるような大きなおさじを

 探してあげようかな)

 

    ピリカです

ぼくはこのようにすっくと立つのが上手

上手というより

もはやカッコいいんだ

つねにカッコいいんだ

             ぷぷぷ

 

帰り道

なんかすごくいいことを思いついたのに

うちについたら

忘れた

 

思いついたなんかすごくいいことは

きっと目の前にあるいいことを

上回るほどではなかったんだろう

 

後ろ足で耳のあたりを掻くって

かわいい仕草だ

 

ぴっちゃんとピリカちゃんと

ふたりの両足をあわせても

私への接地面積はほんのちょびっとなのに

 

手の中でぴっちゃん

そのぴっちゃんを覗き込むようにして

手首のあたりでピリカちゃん

 

ふたりのあんよがあちあちになっていると

ぐんと気温が下がって

ちょっぴり冷えて帰ってきた私のからだも

たちまちに温まり

ほかほか眠くなる