曖昧でいいんだよ

今日の朝リサイタルも心を込めて歌って

かいぬしを起こしてあげた

かいぬしのおててへ

じゃーんぷ     ぷぷぷ

 

     ピリカです

だるいです

ねむいです

んっ?

今、「おやつ」って聞こえた!

 

(すこし多めにあげます

 おにいちゃんにはないしょだよ)

 

ピリカ隊長の尾羽

白いのが生えてきてる

ひょっとして白黒しっぽになるのかな

 

 

夜の噴水

静止画でみると足長蜘蛛みたいだ

風の向きが変わるたび

むわりと濃厚なライラックが香る

 

一年前もこんな感じだった

夜の始まりをもてあまして

夜の深まりに行き場をなくして

酔いをさましながら

ただ座っていた

水が水を押し上げて

力の及ぶ限界点から光るつぶになって

落下してゆき

水面で壊れつづけてゆくさまを

ただただ見ていた

 

あの日もそうだった

人々は何するでもなく思い思いに

噴水のまわりにたむろして

帰る場所があるくせに

帰る場所がないような夜にのまれて

順当にふけてゆくけれどでも

それぞれに限られた時間があることを

知ってか知らずか

こういう夜はね、

苦悩の先にようようたどりつくわけではなく

ただひょいと片手をついて

半身のりあげてみたら

あっけなくこの世の境界を

覗き込めてしまうものなのだ

知ってか知らずか

噴水の水面で

月もまた壊れてゆくことを

 

 

 

 

ちょうど去年のいま時期、

ダチョウ倶楽部の方がなくなって

その時もなんだかライラックの夜を

噴水みながら過ごしたことを思い出しました

 

 

生きてゆくことはとても難しいですねって

去年思っていた

いや、生まれてこのかたずっと思ってる

でも

この世は1か10かではなく
そのあいまいなあたりを
いったりきたりするものなのです
5だったり7だったりでいいものなのです