ストイックな残照

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地面の傷口から流れる血を

塞ぐようにして

紅葉がはりついている


あんなに燃える山のむこうへ

鳥たちは帰ります


優しい予感を引き連れて

ひらひら楽しげに散る桜とは違って

紅葉は峻烈に

命を際で燃やしつくしている

長い凍結の日々を乗り越えようと

自然におかれたものたちの厳しさが

あの業火の熱を

自らの内側にとじこめたまま

死に対峙している

だから山は今もえている


いくつかの雪虫がそっと

さよなら言いに来た

なるほど

燃える山の頂からは

焦げくささではなく もう

雪の気配がにおってきている