苦しみのない朝

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くるしみのない朝は恩寵

新鮮な冷たいおみずをこくこくと

飲むちいさな喉の動き

餌入れにこつりこつりと

くちばしが小さく当たる音

2つのケージからそれぞれこつりこつり

樹々は朝風にざわざわと葉擦れ

レースのカーテンはクラゲの浮遊のように

膨らんでまた窓にはりついて

眼下の建物の外壁すべて

朝陽にしろく照らし出されてゆく

昨日のほこりを拭い取った床には

穏やかな空のあかるさが反射している

     こつりこつり

ひとしきるおなかをみたしたら

とりたちは鳴き交わします

     ぴ。ぷぴ。ぽぴ。

水滴かころがりおちてくるような

優しく美しい高音

小首をかしげて水色の空をみあげる

暗いガラス玉のような瞳に

あかるくひろがりをみせる空をうつしている

   時計は正しく時をきざんでいます

   心臓も正しく命をきざんでいます

     ぴぴ。ぽぴっ。ちゅん。

歌声が大きくなってゆく

鳥たち

  歌いなさい

歌うことが

ゆるされています

祝福されたもののように

いのち輝く朝に

勝鬨(かちどき)をあげなさい

小さな胸を誇らしくそらして

このくるしみのない朝に


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ぼくは とぶ

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とべるんだ ぼく

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こんなぼそぼそのつばさでも


ぼくとべるんだよ

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うんピリカ


お胸の雪ん子もよう

とっても誇らしげだね