天使

夕陽が落ちたあとの

空がぐんと深い青になるところも

ぼくとてもすき

ぼくらの体の中には

赤い赤い真っ赤な血が流れていて

いちにちじゅう

いそがしくはげしく

流れ続けているでしょう

この時間は静かに青が

ぼくらの心拍をさげて

深く優しく鎮めてくれるんだよきっと

            ぷぷぷ

ぼくねむいや

 

   ピリカです

ぼく今日も立派なおしごとをした

たくさん

カミカミしてやったぞう

ケージの敷紙もぐっちゃぐっちゃして

止まり木にまきつけてやったぞう

            ぷぷぷ

 

 

街の一角にある教会

はいったことはないけれど

こじんまりしてかわいい

 

誰にでもひとりずつ

かみさまから天使がつかわされていて

みなさんのすぐそばで

助けてくれているのですよと

シスターが言ったので

どうにかしてその天使をみてやりたくて

後ろなんか振り向かないもーんとみせかけて

急に振り返ってみたり

窓ガラスに不意に映っていないか確認してみたり

突然猛ダッシュして

疲れさせてみようかなどど

作戦立てたり

本当にとても危ないところを歩いて

ちょっとよろめいてみせたら

天使の羽の突端だけでも

目の端に捉えることはできないものかと

ずいぶんがんばったものだった

サンタさんや

マリアさまなんかは

沢山の本に描かれているから

どんなお顔をしてるかわかるけれど

わたしだけの特別についている天使が

いったいどんな顔した天使なのか

とてもきれいな女の人なのか男の人なのか

どんな衣をまとっているのか

お祈りしているふりをして

薄目をあけてさがしたものだった

 

わたしに送られた天の使いは

赤いくちばしした天使だった

 

天使が歌で朝をおしえてくれることを

わたしは知らなかった

天使が靴下を襲撃することを

わたしはしらなかった

ぷ!