秋の夕陽は特別赤い

ああ いいあんばいだよ

そのまま背中とんとんしてて

 

おにいちゃん..

あまえすぎ   ぷぷぷ

笑われたってぼく

ここからでないぞう

 

   

     ピリカです

だめですかいぬし

ガラスに映ったぼくのおちり

たのしまないでください

やあ白いきみ

ぼくは今日もちゃんと

隊員ひとりひとりにご挨拶したよ

               ぷぷぷ

 

 

今日の夕陽がすごすぎるから

“よる”は遠慮してゆっくりやってきた

 

黄色がどんどん濃くなって

そこに血を一滴たらしたように

オレンジがひろがって

山際にピンクの雲が出現したと思ったら

花が開いていくようにして

ピンクの雲が広がっていった

さまざな色の層が

うごめきながら

山の向こうに遠退いていく

 

空一面に夕陽の声が響き渡っていて

お向かいのマンションの屋上

一羽、また一羽とカラスが集結して

みんなもいっせいに山の向こうを見つめて

夕陽の声に耳をすましていた

 

ぼくにもその言葉は届いたよ