クララとおひさまとぴっちゃんとピリカ

かいぬしと読みました

 

カズオ イシグロはこないだ読んだ

日の名残り」でもそうだったけど

どうやらとても夕陽を特別な大切にしてるようだ

 

ねえかいぬし

もしぼくと同じふわふわの体に

完璧にぼくと同じ仕草と歌い声と

瞳の輝きと行動パターンをもつ

AI搭載のぶんちょがいたら

欲しいと思うかい?

ぼくをぼくたらしめるもの

ぼくを特別の存在にしているものは

ぼくの中ではなく

ぼくを愛するかいぬしの中にある

 

クララの言ってることはそういうことだよね?

 

    ピリカです

ぼくをとくべつかっこいい隊長にしてるものは

ぼくがとくべつかっこいいからですけどね

 

よろしい!

みんなもちゃんとわかってるね

              ぷぷぷ

 

 

眩しいくらいにオレンジの

夕陽に祈るクララが

あんまり無垢で哀しい

カズオ イシグロの本、もっと読んでみたいと

思います

イギリスという日照時間的なものも

文学に影響あるんだろうか

終始おひさまに照らされている話なのに

ものかなしく暗い

 

 

 

 

大人になってから人に愛されるには

何かしら愛されるだけの理由がいる

美しい容姿を持つとか

何かに秀でていたり

特別な能力があったり

或いはそれら何もなくとも

そばにいるだけで人を包み込む優しさや

安らぎをもつ人物であるとか

愛されるには理由がいる

 

でもこどもは

それら何もなくても無条件で

愛される経験が必要だ

勉強できなくても体育ができなくても

不細工でも不恰好でも

なんの特技もなく

友達もすくなくて

とりたてて人から好かれる素養をもってなくても

そのまんまの君が君であるだけで

ただもう愛してますよっていう愛

 

たぶんその経験があれば

自分を愛してくれた人を失った後でも

自分の愛し方がわかる

 

自分の愛し方がわかる人は

人のことも愛せる

 

自分を愛してくれる誰かに次にであったとき

ちゃんとそれを

「これは愛なんだ」と

うけとめることができるからだ

 

 

にんげんひとりひとりを

他者と区別して特別なものとするもの

 

わたしがわたしとして

“特別なものである何か”は

わたしを愛してくれている人の中にあるんでしょうか

 

燃える空に問いかけてみたよ