真冬に真夏を思い出したら
一年というけっこう狭い輪の中を
ぼくたちは
ぐるぐるぐるぐる
トラック競技のように
ただただはしっているんだと思った
きみは何周目かね
ぼくはけっこうはしったよ
きみはまだまだはしるだろう
ぼくはそろそろだめだろう
あのね
なんのためにはしるかとか
問いかけてもしかたないよね
はしるためにはしっているから
あるひ
ぐるぐる回る円周のむすびめが
優しくほどけて
ぼくのコースだけ
そらにのびていくんだよ
あの夏の日
きみがくれた真っ赤なそら
ぼくが
燃やしてしまった
赤い空にむかって
ぴっちゃんの老いを感じています
そんなものは感じたくない
でもちゃんと感じていたくもある
ピリカのしゃんとした立ち姿や
脚力を受け止めるたびに
1歳と5歳の違いをはっきりと感じてしまう
言い方、さみしいですけど
折り返したんだな...と思います
そんなことを思うのは縁起も悪いし
もちろん食べ物や生活行動など
工夫は惜しむ気はないのですが
きみのいない未来を
ちからづよくうけとめるために
今日のきみを
1秒を100に刻むほどの密度で
あいしてるってことわかるかな