星が明けの空に消えてゆく気配は
おやすみカバーの中でも察知できるから
ぼくはまだ薄暗いうちから
胸の奥がむずむずして
黙っていられない
小さく「ぴ」と呟くと
その「ぴ」に誘われて
「ぽ」が出ちゃう
勝手に出てきた「ぽ」が可笑しくて
「ぷぷっ」て吹き出すとそれを合図に
ぼくの喜びの生産ラインが
一気に稼働を始めて
どうにも歌わずにはいられない
歌いながらぼくは確かめてる
ももひきからのびる足の握力
完璧な舞踏に備えた脚力
誇らしく胸をそらせば
自慢のちょびひげが見えるでしょ
ぼくの歌に合わせて
ピリカが装飾音符を撒き散らす
楽しい一日を始めよう
豆苗のつるもぱちんとはじけたよ
後頭部からだんだん黒くなってゆくね
弁髪みたいだ
変身の過程をスローモーションで見てるような
君の毎日が愛おしい