さかんにほじくりかえし
くちばしに雪をのせたカラスが
ぴょこぴょこついてきた
君はええと
待ち伏せしてはわざわざ
咥えた小枝を
頭上から落としてきたコかな
親鳥に餌をねだるように口開けて
ごわあごわあと鳴きながら
へんてこスキップでついてきた
あいつかな
それともベランダのもの
こそっと盗んでいくあいつかな
今日は寒いね
足、冷たいかい
縛り上げられて恥ずかしそうにしてた
オンコの木は
枝で作ったドームの中に
雀たちを匿って嬉しげ
ほこほこ福良雀たちが
ちゅんちゅんがちゃがちゃ
歌っている澄んだ朝
偉大な冬の御前では
いのちは同等に在るのです
そしてだれひとりとして
冬に媚びたりしないのです
ぼくかいぬしの手からそーっと
ピリカを覗き見する
くすくす
ピリカすっごい背伸びして
ぼくを探してるよ