帰り道は氷点下
靴の底が雪面を噛む音
ぎゅむぎゅむと
あのくろくもの向こうには
巨大なぶんちょが隠れていて
爪の先だけ見えてるのが三日月
地面を修復するように降る雪
目をゆっくりとじてまたあける
同じ道
同じ雪景色
5秒前にいた場所は
去年の冬なのではないかしら
楽しい錯覚
でも家にかえれば
2つの元気な「おかえり!」が聞こえるから
ちゃんと季節は正当な手順をふんで
この一年を冬で終え
次の一年を冬で始めてくれるのだとわかるのです
雛換羽でぬけるぬける
しっぽは残り一本となりました
レモンぶんちょへのリーチ