かるるるる

ぼくなんだか かさが減って

ちいちゃくなったみたいに見えるでしょ

でも体重はしっかり27gある

むしろ普段より食欲もある

今日はちょっとだけ外にでて

おやつ食べて

かるるるして

ケージに戻ってお昼寝した

かるるるる

ピリカです

ぼくもくちばしの付け根のあたり

だいぶはげてきた

鼻の穴がすうすうするよ

かるるるる

ほら

ぼくのすうすうしてるぶぶん

見てもいいよ

             かるるるる




今年は2人とも同時に換羽なので

歌合戦もなく

とても静かです

ふたりともがんばれがんばれ

知らない花が風にゆれてた

毎日公園で見るとはなしに目に映る花の名を

調べようと思ってるうちに散って忘れる

まあよくあるはなし


私に見えていた世界はとても小さかった

というか

「世界」を見ていたつもりで

見えていたのはそのほんの一部分だった

まあよくあるはなし


宇宙の奥行きについて考えだすと

足下の海が揺れる

こんなにちいちゃくてごめんなさいと

ちゃぽんと揺れる

まあよくあるはなし



リラ薫る5月の手紙読んで泣く

ぼくぼろぼろすぎて写真とれなかったから

過去最高カッコいい写真を

今日は載せたよ

丸文、飛びます!って感じでしょ

ちなみにぼくのトップスピードは結構すごい

急カーブきめるときなんて

かいぬしの動体視力が追いつかないくらいだよ

           ぷぷぷ

ピリカです

ぼくは飛ぶのは遅いけど

かっこいい音がするよ

びびびびびびびび

4枚の羽でも飛べることを証する

立派な隊長なんだ

ぼくの羽音がきこえたら

でろでろくつろいでる隊員たちも

しゃきっと姿勢ただして

せいれーつ!

            ぷぷぷ


ライラックの香りはすごい

マスク越しでも風が甘いのがわかる

年老いたわんこも

あごをそらして くんくんと

風のでどころを探るだろう



読み終わった手紙を抱きしめるなんて場面がある

あれは手紙を愛しんでいるんじゃない

波打ち

あふれでるむねのなかを

おさまれ、しずまれと

抑えている行動なのだ


暗記するほど読んだおばあちゃんの手紙を

捨てるんじゃなかったと

たびたび惜しく思う


惜しく思えるほどの手紙を

受け取ったことを

変えがたくも思う


ライラック

リラともいう

(確かフランス語だったかな...)


帰り道

暗がりから薫るリラに

酔って

泣いた


じてんしゃ

ジロデイタリア 2022


ピリカちゃんは三輪車です

ぴっちゃんは一輪車

タイムトライアルの覇者として

名誉のピンクジャージきてますが

2人がやってるのは

それは...

ジャグリングというものではないかなぁ

            ぷぷぷ


丸文くんだったのは二日間だけ

ちょんまげは抜けて

いつものぼくに戻ったよ

換羽も終盤

あとはツクツクがのびてほぐれるだけ

ちょっとずつ元気になってきたぼく  

               ぷぷぷ


ピリカです

ぼく出たくない

ホヨヨのそばにいるー

隊員たちのチェックはかいぬしやっておいてね

ぼくもう寝るんだ

               おやすみ

丸文くん

みなさんこんにちは

ぼく文丸(ふみまる)です

ちょんまげはすぐ抜けるかなって思ったけど

残ってます

たのしたのし

ぼくもかいぬしも

このちょんまげをきにいってる

            ぷぷぷ


ピリカ隊長は今日もけらいたちの見回りして


あとはぼく

かるるるしてた

だって怒りたい気持ちなんだもん

かるるる



5月にはあり得ない気温でした

今年初めて半袖ででかけた


新しい季節の始まりを感じた

でもなんだろう

何か言いたいような

言ってもらいたいようなこのきもち

そうなんだよね

たぶんひとこと

「生きて行きましょう」って


くいしんぼう奉行 ぶわわの守 丸文(まるふみ)

ぼく武士になったの

名前はみまなのなりゆきさんが

考えてくれたよ

くすくす

かいぬし笑いすぎだよ

ぼく今日は気分よかったから

ちょっとだけケージから出て遊んだ

おやつも食べた

それにしてもぴっちゃんのこの換羽の激しさ

毎年痛々しいです

蚊に一箇所刺されただけでも

かゆくてかゆくて

あたまきちゃうのに

全身どこもかしこもかゆかゆなんて

どんなにつらいことか



ぼくもけっこう抜けてるよ

でもお顔や頭付近はあんまり抜けてない


ぼくも武士になるんだろうか

              ぷぷぷ



夕焼け小焼け


小焼けってどれくらいの焼き加減なんだろう

ねえピリカ


燃える夕陽こそは

いま

みるべきものなのだ

「ほら見てみてよ

 あんなに夕陽がきれいだよ

 ああなんて世界はうつくしいのだろう」


どんなに悲惨な状況にあっても

感受性の豊かさこそが生き残る力になった

   とビクトール フランクル

収容所生活をかいたその著書

「夜と霧」で説いています


だからぼくとピリカとかいぬしと

夕陽当番をして

この瞬間をわかちあっているのです


今日もぼくらは生きていた

そのことを確かめるように

証するように

燃えてゆく夕陽を



ハンサムくんは早寝です

こちらは遠い目をしてるハンサムさんです


ピリカちゃーん

んっ?

 

ぼくのことかな?   きらきら


ケージから出られないおにいちゃんにかわって

さいこうかっこいいポーズ

しようとおもたけど

だめだた

ぼくねむい...


ぴっちゃん なかなか出てこようとしません

がんばろうね




今日もとてもいい青空だった

いちばん好きな色が

景色の大部分を占めているというだけで

うれしうれし


すてきな歌を聴いた

知らない歌だったけど

そばにおいておきたくなる歌だった

何十年か後に聴いたら

今日のこと思い出すかな


同じ季節を繰り返すけど

実は同じ季節なんてないんだよかいぬし

どこにもないんだよ



ピリカはハンサムらしい

ここでちょこっとかくれんぼして

ここでちょこっとお昼寝

ぼくの頭けっこうすごいでしょ

鼻の付け根のぶぶんも

黒いちいちゃな羽がたくさん抜けたよ

ぼくの羽、1年間ありがとう

ピリカです

ぼくハンサムですねって言われたの

きっと褒め言葉だとは思うけど

ハムサンドかな

カミカミ

おにいちゃんもたぶんハムサンドだよ

カミカミ



大きなエゾマツの下をあるくとき

どの季節でもたのしい

常緑樹の頑固さがなぜかホッとする

くるくると螺旋に駆け上ったリスが

枝のひとつを揺らしてた

青空にむかって手を振ってるみたいだった

できたら誰も切らないでほしい

そしたら

どこまで高くのびていけるか

知ることができる

ついでに誰もいなくならないでほしい

そしたら

その人に何ができるか

その人が何をしないですむのか

知ることができる