ゆらめく金魚

ぼくラウディブッシュだいすきなの

だいすきすぎて気になるからね

残りはどれくらいかなーって

いつもチェックしてる

ぼくの大事な日課

 

 

     ピリカです

おにいちゃんはごはんチェックを欠かさない

(おでぶんちょだからね   ぷぷぷ)

 

おにいちゃんそこで寝てもいいよ

ぼくはしっぽチェックしてあげるから

             ぷぶぷ

 

 

ゼリーの中で金魚およいでる

和菓子の美しさに

こころおどる

 

 

うんとちいちゃいこどものころ

風呂屋さんにいくと 

浴槽の床に描かれた金魚が

ゆらゆら揺れて

ほんとに泳いでいるようにみえた

ひょっとしたらこれは絵ではなく

ほんものなのではないか

だとしたらこんなに熱いお湯の中で

金魚は死んでしまわないのかと

心配でしかたなかった

自らの翼の影に小魚を集める鳥のように

金魚がゆらゆらと水面にあがってきたら

すくいとってあげなければと

じーっと動かずに

目を凝らして

底をみつめていた

それがわたしのお風呂ミッションだった

おばあちゃんは言ってくれた

それはただの絵だからだいじょうぶ

生きてるものではないから

しぬこともないからだいじょうぶと

 

だいじょうぶを10回繰り返しても

7のあたりで

でもだいじょうぶじゃないかもしれないって

疑いが追いついてくる頑なさよ

 

信じることより

疑うほうが心地よくかんじるならば

 

愛もまた同じ

水の底でゆらめく 

実態のない絵なのだ