ほどけがたくつなぎあう

オレンジ毛布と本とかいぬしのおてて

ここにはさまれてぼくはたのしたのし

そっとページをめくってね

ピリカに見つからないようにかくれんぼ

陽が傾き始めるころ

ぼくもだんだん眠いんだ

おなかをぺたんとつけて

かいぬしぼくの鼓動を感じるかい

            ぷぷ

 

    ピリカです

かみかみかみかみかみ

かみかみかみかみかみ

だめです

ぼく今しんけんにかみかみしてたので

後ろから撮ってはだめです     ぷ!

 

ピリカちゃんのおちり写真を

撮ることができなかったので

おちりみたいなおやつにしました   ぷぷぷ

 

「愛する」って

まなざしをそそぐことだと思う

優しい目で見つめ続けること

あるいは

期待に輝いて見つめ続けること

 

ぴっちゃんもピリカちゃんも

ずっとわたしを見てる

わたしがばたばたと部屋の中で動き回っていても

何かをかいたり

本に集中していても

ずっと見てる

ひょっとするとわたしが彼らを見てる時間より

わたしが見られてる時間の方が多いかも

 

先代ちゃんももちろんだけど

ふたりをわたしは強く深く心に刻んでいるけど

ふたりもわたしのことを

強く深く刻み込んでいるんだろうな

と思う

 

いつか互いの姿が見えなくなっても

刻み込まれた互いの愛って

撚り合わせた糸のように

ほどけがたくつなぎあって

互いの命が同化してしまう感じがする

命の中に命は

とけこんでしまうのではないだろうか

 

いつか

ぴっちゃんやピリカちゃんが

いってしまっても

自分の命の在りどころにそっと手をそえれば

「ここにいますね」って

すこし

鼻の奥をつんとさせながら

思えるだろう

 

ねえ先代ちゃん

そうよ!