ひとつのまどろみ

こうだと  あんまりみえない

 

こうすると  ぷぷ

ちょろりぼくの逆ハートのちょびひけ

みえるでしょ

 

ぼくこれ気に入っているんだ

 

   ピリカです

強く午後の光が入って

ぼくのおめめの瞳孔までうつった

ぼくの目、こんな茶色だったんだね

 

ぼく隊長だからね

この目ですみずみまでちゃんと見てるよ

どこかにほんのひとつぶでも

シードがおちていたらたいへんだからね

              ぷぷぷ

 

ぴっちゃんを左手ににぎにぎしながら

本を読んでいたら

ピリカもやってきて

右手の手首のあたりにやってきて

すっかり腰をおとして

動かなくなってしまった

左手のぴっちゃんも

右手のピリカも

じわじわと熱々になって

身体から猛烈に眠い物質を放散していた

すっかり動けなくなって

わたしもすこしうつらうつら

ピリカ、わたしの脈をとってるみたいだなって

思ったけど

実際わたしたちの三つの拍動は

縒り合わさって

ひとつのながれとなっていった

たぶん、そういうこと

いっしょにいるってそういうこと

同じ鼓動にとけあって

わかちがたく

ひとつのものになってしまうということ

にんげんの時間と

ことりの時間はちがうのに

こんなときは

種別を超えて

ただひとつのいのちのように

なってしまうんだねわたしたち