カヌレから命の音に思考がたどりつく

今日もぼく

「ぴぴっちゃん!」と元気にご挨拶して

飛び出たよ

豆苗もおいしおいし

お外は風がつよい

冬の空気と春の空気が

ぶつかりあっているみたいだ

 

 

   ピリカです

ぼくおやつポイントの巡回中

 

明日はちいさなお友だちが

遊びにきてくれるんだって

ぼく靴下と戦わないようにしないといけない

でも強くなったところもみせてあげないと

             ぷぷぷ

隊長だからね

 

本日のおやつはカヌレ

「ライオンのおやつ」を読んでから

カヌレが好きになりました

 

自分の人生の最後にリクエストする

思い入れのあるおやつってなんだろう

スイーツではないけど

おばあちゃんの作る「てん」が食べたい

(ところてんのことを“てん”と呼んでいた)

というか

おばあちゃんメニューは

なんでもかんでも美味しくて

こんな夜中に考えていると

どれもこれも食べたくなって

やたらおなかが減るし

風の音が波の音に擬態をはじめて

ちいちゃなこどもにもどって

枕に耳を押し当てて

耳の血管の中をはしりまわる音に

聞き入ってみたくなる

 

たくさん走ると息がきれて

胸もどくどくしたけれど

そんな激しい運動のあとよりも

静かに静かに眠りにはいってゆく

静寂の中できく

自分の血の流れのほうが

あ、

わたしも生き物なんだねって

実感できたものです

 

りょうのてのひらの

くぼみの部分を耳に

強めに押し当ててみてほしい

ぼわああああという

遮断された重さの向こう側から

自分の血がめぐる音がきこえるよ

 

結構それはちからづよい