雪のエゾマツさんこんにちは

昨日からどっさり雪が降ったね

真っ白なお外まぶしまぶし

ぼくは大あくびしてほこほこ

お花にはひとつひとつ名前がついていて

おぼえていくのもたのしいけど

こっそり勝手につけた名前でよぶのもたのしいよ

 

     ピリカです

かいぬしぼくの名前を呼んでたけど

ぼくじーっと動かないでかくれていたの

ぷぷぷ

ぼくここだよ

けらい達とみつだんちゅう

 

エゾマツの枝に雪が降り積もる景色は

一年でいちばん美しい光景

 

ふだんは高いところにある枝が

雪の重みで手が届くところまで垂れている

足元も雪の厚みで高くなる

枝と私は年間のうち

もっとも互いの距離を近くする

小鳥の跳躍や

雪雲のすきまをとおりぬけてきた風で

ざざざと枝の雪が落ちると

枝先はまた元気よく空を目指す

雪をかぶったその下のひとは

首元からはいってきた雪の冷たさに

笑い転げながら

それぞれのおだやかな終わりをめざす

 

これこれ、

この雪にまみれたエゾマツを見なければ

 

桜ではなく

僕らはこの雪と青空で

一年をかぞえる

 

ぼくらの始点と終点は冬だからだ