秋から冬

海を思い出していた

ピリカといっしょにおにぎりもっていった海

ぼくは波の音をきくと

眠ってしまいたくなる

ぐう

カモメさん達は今頃、雪雲を見上げてるよ

翼の先を鋭利に研いでいるに違いない

寒気を切り裂き

冬と戯れるためにね

 

      ピリカです

エトピリカ総長はどこかな

先頭をゆくものはしばしば孤独だと

エトピリカ総長は言っていたね

ぼく

むつかしいことはわかんない

わかんないものはとりあえずカミカミしてみる

ぼくに噛めないものはないんだ

 

ナナカマドが盛大に実っています

でも野鳥さん達にも不人気

きっとこれ、おいしくないんだと思う

 

真冬、よっぽど食べるものがなくなって

つらくなったころに

仕方なさそうにヒヨドリヒレンジャク

啄んでいるのを見ます

ヒヨドリさんはあからさまに

おいしくなさそうに食べます)

 

ナナカマドの真っ赤な実の上に

綿帽子のように雪がふんわりと積もるのを

見るのが冬のたのしみ

 

白と青しかなくなってしまって

色彩にとぼしくなる冬に

差し色のように赤々と

ナナカマドが映えているところを

見るのがたのしみ

 

ひょっとすると秋はもう終わりで

冬が始まってるかもしれません

窓からみえる西の山

てっぺんはもう雪だね