きみはうつくしい
きみはおいてゆく
うつくしいままで
きみはおいてゆく
きみはうつくしい
ゆえにこの詩には
なにも足さなくていいんだ
きみはうつくしい
きみはうつくしい
ファンだった老ぶんちょさんが逝かれました
12歳もの長生きでした
すごくへんなたとえだけど
残さずぜんぶきれいに食べてえらいね
みたいな感じ
りっぱにいのちをつかいきりましたと
いう感じ
そう なんだか小さないのちに
「りっぱ」ということばをつかいたくなる
同時にわきあがるこの気持ちは
賞賛とともに
羨望なのかな
去年、老犬を最後まで介護して見送った方が
言ってた
「悲しくはありません
ただ、さみしいのです」と。
今年はほんと
ばかみたいに雪が多かったもので
去年の今時期よりずいぶん雪がのこってる
それでもみんな
「春ですねぇ」ってことばを交わす
春ということばなんだか
くすぐったいでしょピリカ
ぼくらの季節は
春に移行してゆくね
耳をすませたらきこえるでしょ
さよならまたねと
冬がながれて海にかえってゆくうたが