ぼくと紫陽花だ
大きなタオルとか
初めてみるかばんなんかは
ぼくらはちょっとげげっ!て
なっちゃうんだけど
小さな絵なんかは近寄ってよーく
見たくなる
鏡に映っている自分の姿を
「これは自分である」と唯一認識できる
動物は象だけだといわれているけれど
じつはぼくらぶんちょもわかっているんだ
(ないしょだけどね)
かいぬしはおねつがあるので
ぼくらひかえめに遊んだ
炊いたおかゆに
やけくそになってすだちを搾りかけたら
これが案外おいしかった
ねつがあるときって
自分の息の熱さにびっくりしちゃう
巨大な氷の塊にダイブすると
自分の形にみるみる氷がとけて
とけた冷たい水に心地よくおぼれながら
自分の形のその
実に狭いスペースの中に
深く深くとじこめられて
透明の卵のなかで
稚魚がぐるりと回転するように
自分もまた厚い氷に視界をとざされつつ
軋む背中を
ぞわりと動かしてみる
そんな夢をみていた
明日には元気になって
あそんでくれないと
ぼくいやだよ
かみかみ