かいぬしと静かに本を読みました
窓からはひんやりした風がはいりこんできて
エアコンとか扇風機とかじゃない
天然の風って
こんなにも気持ちいいものだったんだ
体の奥底に無駄にくすぶって
ぼんやり思考を停滞させるあの熱も
きれいにさめてゆくんだね
ほらかいぬし
ページをめくってあげるよ
.....ぴっちゃんめくるのはやいですよ
ピリカもきた
そこに乗ったら見えないよね
ぼくら完全にどくしょのじゃましてる
たのしたのし
強めの風は雲をなぎはらって
あとにはいつも
疑問符だけがひっそりとのこされる
きゅうにすずしくなったね かいぬし
夏はぼくのかみかみに
おそれをなしたんだね
ぼく猛暑げきたいしてやったよ
ぷぷぷ
本は
『ブラフマンの埋葬』 小川 洋子