その方がお亡くなりになったと
知らせがとどいて
でも随分まえに
お別れはすませた間柄ゆえ
こころが動くこともないのだけれど
動かぬこころのかわりに
ひとしきり樹々はざわめいて
息をつめて見上げる雲の
流れは加速
ぼくのさいごのかわいいひとなどど
やすい台詞も
たいへんご年配の方の口からきくと
払い除け難いリアリティ
だれかの最後の何かになど
なりたくない心地悪さ
雪虫はのまずくわずで
かたわれを探して消えてゆくのですなどど
呟く声を
そうでしょうよ雪虫には
もともと口がないのだもの
言いたいことも言えずに
消えてゆくのでしょうよと
安堵に包まれたかなしみを
こんな暑さの中で再生すると
しろいしろいまぶしさの中に
溶けてたちまちに蒸発してゆきます
なかなか会わない人と
もう会わない人とのあいだには
たいした違いはありませんから
これは痛みではないのです
記憶など幻の痛みです
言うべき言葉 胸に葬って
雪虫みんな
唯々として死んでいったでしょう
そのかたもまた
次の季節の雪虫みることなく
ゆかれました
ぶんちょな配色で
ネイルをしたのに
できあがったら
牛っぽい🐄🐄🐄
くすくす
ぼく赤系あまり好きじゃないから
いいよ
ぼく
そのもよう怖い!
げげっ
(げげっは文鳥の警戒鳴きです)