雪虫が服についても
手で取るわけにはいかない
そっと羽をつまみあげようとして
どれほど優しく指先に集中しても
雪の結晶がくずれるみたいに
もろもろと羽が壊れてしまうのです
人間の体温ですらも
かんたんにかれらをころしてしまうから
だから
ふうっと息を吹きかけて
優しく飛ばしてあげます
でも
こんなにたくさん髪にも服にもマフラーにも
雪虫がくっついてしまったら
ふうふう息をはき続けて
あたまくらくらしながら
必死ではき続けて
はくためにはすわなきゃならなくて
すってすって すうごとに
肺の奥めりめりと冷えてゆく
上空から寒気
無慈悲な指先でつまみあげられるよりは
かみさまの冷たい息吹を
向かい風にして歩きたいものです
雪虫さん達さようなら
君達のうちいったいどれどけが
ほんものの雪をみることができるのだろう
と考える
5度です
寒すぎてびっくり
Rちゃんにふられたから1人飲みした
空気が澄んでていい夜だった
雪虫さんカミカミしないよ
ぼくやさしいぶんちょだからね
びびびびびって羽ばたきで
飛ばしてあげるの
ぷきゅ
ぼく雪虫さん
頭のぶわわで受け止めてあげようと思う
ぶわ