お風呂上がり
正しくロッカーキーなど腕につけて
マッサージチェアに深々沈み
本を読もうとしたら
ぐらぐら頭揺れて
乗り物酔いか 湯当たり
からだじゅうさっぱり気持ちいいのに
あたまの芯が気持ち悪い
マッサージやや暴力的で
もみほぐされてるというよりは
巨大な指につねりあげられてるかんじ
ああああああって出したい声を
がまんしてるわけだけど
苦悶と恍惚って
表情としては紙一重
それで
笑いたさと泣きたさの
狭間に横たわっているあのかんじ
しろいしろい牛乳でのみくだして
背中の毛細血管が無惨に
破壊されてゆくことを
なぜ気持ちよいと思うのか
おもえば理性を破壊し尽くしたその先にしか
存在できぬけらくといものもまたあるわけで
うつくしく直角に姿勢正して
笑いませんし泣きませんよ
そのどちらにも針の触れぬ中間で
背中をあずけられるのなど
所詮息のかよわぬものでけっこう
ゆ
と書かれてのれんゆらりと揺れる
今日から九月
北国ではもう秋だよ
短かった夏を惜しんで向日葵
おにいちゃん
もぐりぶんちょやめて
おにごっこしようよー
ぼく
飛行技術がまたあがったから
負けない自信があるの
どやどやぽぴ!