小豆と友情を深める

かいぬしのおててで過ごす

ゆうぐれどき

ぼくは

だんだん眠くなってきて

 

もう だめだぁ

(はい ぴっちゃんおやすみなさい)

 

     ピリカです

おにいちゃん早く寝ちゃったけど

ぼくはしばらく起きてた

さあかいぬし

くつ下をもってくるがいい!

           ぷぷぷ

 

 

本日のおやつ

 

小豆との相性は作るたびに深まっていく

今まではなんだか

小豆に試されていたのだと感じる

おまえ、ほんのいっときのブームで

調子にのっておれらを煮てるんじゃなかろうなと

小豆はちょっと

鍋をのぞきこむ私に

警戒のまなざしを返してきていた

どんなに美味しく仕上がっても

芯の部分に何か

踏み込めない壁がある感じがしてた

だから

どんなに作業の工程に慣れたとしても

小豆に失礼のないように

謙虚さと敬意を保ち

ひとつぶひとつぶと丁寧に向き合ってきた私は

どこかの時点できっと

小豆側の信頼をかちえたのだ

小豆たち

すっかりうちとけて

赤紫の煮汁の向こう側から

くすくすくすくす笑い声がきこえる

ここまでこれた人はきっと一生

小豆と良好な友情を

ながく続けていけるんだと思う