つれていこうとおもう

ぼくは今日もスプーンを死守

だいすきなんだほくのスプーン

これでいつもごはんをはかっていれてるの

スプーンの上で歌っちゃおう

 

    ピリカです

ぼくは翼のつけねがかゆかゆです

古き風切り羽どんどん抜けて

ぼく、新しい翼がはえてきます

3年目にしてようやくぼくは

完全な翼もつ

りっぱなぶんちょとなれるのだ

それにしてもかゆいから

今日もかいぬしの靴下に総攻撃ー!

           ぷぷぷ

 

お行儀よく一列に並んでいるのです

それぞれに違う個性を持ったかなしみが

粛々と

自分の呼ばれる番をまって

ならんでいるのです

 

川は河口に近づくにつれ

喜びがおおきくなります

 

ひとは一定の病気にならないかぎり

「余命」をおしえてもらえません

 

でも生きいる瞬間すべてを

「余命」と言い換えてもよくはありませんか

 

わたしは呼びかけます

「はい。つぎのかなしみ、どうぞー」

 

わたしたちは

いつしか

海に合流します

 

すべてのかなしみをひきつれて